長らく耕作されていなかった土地…発電×農業で新たな価値 静岡・袋井市
静岡県袋井市には、長く耕作がされていなかった土地を活用した営農型の太陽光発電所が設けられ、注目を集めています。最新の取り組みを取材しました。
西尾梓アナウンサー:「袋井市にあるこちらの農地では、そばを栽培しています。一見ふつうの畑にみえますが、実は太陽光パネルの下で栽培しているんです」
こちらは農地の上に太陽光パネルを設置して発電をする営農型太陽光発電 (ソーラーシェアリング) です。完成したのは5月。面積およそ2.5ヘクタール、およそ1980キロワットの発電容量を誇る営農型太陽光発電所です。年間ではおよそ800世帯が1年間使用する量の電力を発電することができます。
この営農型太陽光発電所は、静岡ガスと、県内を中心に野菜の生産をてがける鈴生(すずなり) がタッグを組んだことにより実現しました。静岡ガスはおととしから営農型太陽光発電の設置を開始。県内には10カ所あります。
静岡ガス電力・環境部 杉澤佑基さん:「環境に配慮したクリーンな農業を実施したい。また農地をどんどん再生していきたいという鈴生さんの存在を知って、我々としてもカーボンニュートラルの事業に向けた取り組みとして、何か協働できることはないかと、我々の方からお声がけをさせていただいた」
農業分野を担当する鈴生が機械を使って石を砕き、農地にしていったといいます。
西尾アナ:「これくらいの大きさの石があるということですよね?」
鈴生 鈴木貴博社長:「がっちがちの土地で固まってしまっているような、この土地がこの機械を入れると、全部石が小さくなって手で掘れるくらいの」
西尾アナ:「すごい!さらさらですね」
長らく耕作がされていなかった土地に、発電と農業という新たな価値を生み出したのです。現在こちらの農地ではソバを栽培しています。9月に種をまき、12月中旬に初めての収穫を迎える予定です。
鈴生 鈴木貴博社長:「優良農地は優良農地としてたくさんの作物をつくっていくことができるので、ソーラーシェアリングではなくて優良農地として使っていければいいと思っていまして、農地になりにくいところを、どう持続可能的に農地として活用していけるかということに関しては、このソーラーシェアリングという方法は一つの可能性としてはすごく大きいと思います」
今後は大豆ミートや大豆油など、様々な可能性を秘める大豆の栽培にも挑戦していきたいとしています。
静岡ガス電力・環境部 杉澤佑基さん:「今回、このような規模でソーラーシェアリングの事業をできたので、ここで経験したノウハウや知見を生かしながら、同様に農地でうまく活用できていないところなどの課題を解決できるように事業を推進していきたいと思っているし、地元の方々の意見を大切にしながら必要であれば我々のような事業者で貢献できるようなことができればと考えている」