特産のウナギやメロンも…ふるさと納税『ワケあり』返礼品が人気 その背景に「物価高騰」 静岡県
堀優奈アナウンサー:「年々利用者が増加している“ふるさと納税”。今年は物価高の影響もあり、お得感のある『ワケあり』の返礼品に人気が集まっているということです」
全体の1%~2%が「ワケありウナギ」に
浜松市西区にある明治40年創業の「大和養魚」。ウナギの養殖から加工・販売まで行う会社です。この会社のふるさと納税、人気の返礼品は。
大和養魚 和久田惣介社長:「加工段階で傷物になってしまった蒲焼を刻んで、茶碗一杯サイズの真空パックにしたきざみウナギが人気になっている」
人気となっている、「ワケありのウナギ」。製造過程で「ワケあり」となるのは、全体の1%~2%だそうです。
大和養魚 和久田惣介社長:「どうしても、やはり人の手でウナギをさばいたり、焼いたりしているので、その製造過程の中で、ごく一部傷物が発生してしまう」
大和養魚 和久田惣介社長:「この辺りが、最初、半分に割る時にウナギが生きたままさばくので、そのウナギとの戦いの中で、人間が負けてしまった証」
キレイにさばけていないからといっても、その「味」は…
堀優奈アナウンサー「いただきます。脂が乗っていてジューシーですね」
大和養魚 和久田惣介社長:「この蒲焼は蒸さずに蒲焼までに仕上げているので、うなぎ本来のうま味がぎゅっと凝縮されている」
実は、ワケありの方が人気なんだとか。複雑な気持ちもあるそうですが、申し込みの増える年末にも期待が膨らみます。
大和養魚 和久田惣介社長:「全国各地、いろんなところから申し込みがあるので、そういった方に浜名湖ウナギのおいしさを発信していきたい」
ワケあり返礼品の登録数は全国で前年より36%増
「ふるさとチョイス」によると、ワケあり返礼品の登録数は、全国で前の年に比べ36%の増加、静岡県は11%の増加となりました。また、ワケあり返礼品の寄付金額は、全国で前の年に比べ43%の増加、静岡県は58%の増加となっています。
人気の理由は、物価高騰の中、品質は変わらず量が多いことに、多くの寄付者が注目したようです。そして、中国が水産物の輸入を停止したことで、日本の農業・漁業への関心が高まっていることも影響しているといいます。
「ワケありメロン」
メロー静岡 寺田幸宏代表取締役:「すごい人気がある。全国の客がどんどん増えている状況」
袋井市にある「クラウンメロン」の専門店、「メロー静岡」。クラウンメロンは、1本の木に1玉だけを厳選し、栄養を集中させて栽培するため、甘いメロンが実ります。また、クラウンメロンは、基準が厳しく、味だけではなく、編み目の美しさ、形、色にもこだわっています。
さらに天候にも左右されるといいます。
メロー静岡 寺田幸宏代表取締役:「(ワケありメロンは)全体の10%くらい。ひどい時には、天候によって、50%、70%の時もある。少しでも傷がつけばワケあり、そこがクラウンメロンの1つの特徴で、やはり値段の価格差が出てくる。味について、中身はほとんど一緒」
このワケありメロンも返礼品として人気だといいます。
Q.実際、どういったものがワケあり商品なんですか?
A.「ここにあるクラウンメロンで、外観的には正常なもの。その中で、ここに筋が入っている。」
Q.これが傷なんですね?
A.「これが傷で中身は関係ありません。おいしさは一緒」
ワケありメロン、そのお味は…。
堀優奈アナウンサー:「クラウンメロンいただきます。スプーンですくっただけで、みずみずしい果汁がじゅわーっと出てきました。いただきまーす。うーん、甘いです。糖度が15%前後ということで本当に甘い。とろけるような口当たりで、これはもう幸せです」
この店では、袋井市の魅力をさらに発信しようと、袋井市産の「クラウンメロン」と「米」をセットにした返礼品を申請中とのこと。ふるさと納税の「訳あり返礼品」。生産者、寄付者、どちらにとってもメリットがあるようです。