熱海市が『宿泊税』導入へ(後編) 「不安」だった宿泊業者…入湯税を値上げした大分・別府市を視察「安心材料になった」
早ければ、来年の4月から1人1泊200円の宿泊税の導入を目指す熱海市。街で取材をすると、さまざまな声が聞こえてきました。
「出来れば取ってほしくないです」
「200円ぐらいだったら、しょうがないかなと思う」
宿泊業者は
実際にお金を徴収する宿泊業者は、どのように受け止めているのでしょうか?
熱海温泉ホテル旅館協同組合 森田金清理事長:「お客様に対して、プラス200円もらうわけですから、お客様が他の観光地を選んでしまうのではないか? そういった事に対して、お客様の抵抗感があるのではないか、という不安は非常にありました」
そこで、同じような温泉観光地で、5年前に入湯税を値上げした大分県の別府市へ調査に向かったそうです。
熱海温泉ホテル旅館協同組合 森田金清理事長:「別府市がですね、入湯税の150円を宿泊料金に応じて、300円なり500に値上げすると、料金によって変わってくるんですけど、そういった事例はありまして、別府の旅館組合の方々とお話をさせて頂いて“入湯税上がってもお客様の人数変わりないよ”と、お客様の抵抗感もないし、しっかりお客様に説明をしていけば、お客様に十分理解を得られるこんな事をヒアリングして、我々は一つ大きな一歩、そこが安心材料になりました」
さらに、こちらの旅館でも、話を聞いてみました。
ニューとみよし 富岡篤美社長:「お客様には本当にご負担をおかけするんですけど、やむを得ない税だなと思っています。(観光業は)ニーズに応えて、常に衣を替えながら、形を変えながら、今の現状のお客様の過ごしやすい環境を、宿もそうですけど、エリアもそれを心がけて、努めていかなければいけない。街が素晴らしく、楽しくなれば、それでお返しできるのかなと。熱海全体がテーマパークになるような、そんな街造りをしていただければ、嬉しいなと思っています」
「ホテルの料金に応じた宿泊税を」という声も
また、宿泊税の導入には賛成しながらも、こんな改善点を指摘する声も…
稲村千尋熱海市議:「5万円の宿に宿泊するお客さんは、200円とかその辺はあまり気にしないかもしれないが、1万円ぐらいの、それ以下の宿泊施設は、入湯税が150円、それに入湯税以上の200円、そうすると350円になりますので、やはりそういう安い旅館に泊まろうとする若い人は考えてしまうのではないかと心配しています。1万円ぐらいの宿泊料金のところには、宿泊税を安くして頂いて、高額な宿は宿泊税をもうちょっと200円ではなくて、上げてもいいのではと、個人的には思っています」
宿泊税の導入によって、町はどう変わるのか? これからの熱海に注目が集まっています。