【リニア新幹線工事】JR東海のボーリング調査静岡県内の一部での実施を容認 静岡県の専門部会
リニア新幹線工事に伴う水資源への影響を議論する静岡県の専門部会は、ボーリング調査について、山梨から県境を越えた静岡県内の一部での実施を容認しました。
静岡県地質構造・水資源専門部会・森下祐一部会長:
「JR東海が今回出した資料は適切なものであるということを、専門部会として技術的に認めたということ。県庁自身のお考えに委ねられるものだというふうに考えている」
13日開かれた静岡県の専門部会では、JR東海が山梨県で20日から再開するボーリング調査の計画について議論されました。
静岡県地質構造・水資源専門部会 森下祐一部会長:
「ボーリング湧水は、今現在非常に低い状態で安定しているが、これまでと異なる傾向が確認された場合は、直ちに相談していただけるということでよろしい?」
JR東海静岡工事事務所 永長隆昭所長:
「まず報告を頻度を上げて日ごとに行う。水質や水量についてそれまでと異なる傾向が確認された場合は、必要に応じて専門家を含む関係者にご相談をして、追加調査等の措置を行っていく」
JR東海は田代ダムが改修のため取水を停止している来年11月までの間にボーリングを実施すると報告。
この間大井川には通常より多くの水が流れていますが、湧水量が流量の増加分を上回った場合は、ボーリングを中断するなどの措置を講ずると説明しました。
委員らはJR東海が示したリスク管理について「十分だ」と判断し、県境を越えて静岡県内の一部でも実施するというボーリング調査の計画を容認しました。
2月に川勝知事は
川勝前知事(2月26日):
「いったん流出するともう戻ってこないので、従ってここは慎重でなくてはならない」
2月、ボーリングについてこのように話していた川勝前知事。
ボーリングを巡り、これまで県は静岡側の地下水が山梨側に流出する恐れがあるとして、県境300メートル以内での調査を進めないよう求めていました。
これに対しきのうの会議を終えた森副知事は、大井川利水関係協議会や、県の生物多様性専門部会の意向を速やかに確認すると話しました。
静岡県 森貴志副知事:
「もしも結論を出すとなれば私というよりも、次期の知事がしっかり判断するんじゃないかというふうに思う」
JR東海静岡工事事務所 永長隆昭所長:
「静岡県内の部分についてはこれまで調査をしていなかった区間の調査を行って、少しでも情報を得て不確実性に対応するということが大事だと考えている」