元担任の女性被告「取り返しのつかないことをした。責任は重い」 園児置き去り死亡事件の裁判 静岡地裁

 2022年静岡県牧之原市で、園児が送迎バスに置き去りにされ死亡した事件の裁判で、当時の担任だった女性被告が「取り返しのつかないことをしてしまった」と話しました。

 2022年9月、牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で当時3歳の河本千奈ちゃんが送迎バスにおよそ5時間置き去りにされ、重度の熱中症で死亡しました。

 検察はバスを運転していた当時の園長の男性被告(74)と当時の担任の女性被告(48)が、それぞれ確認を怠ったとして業務上過失致死の罪で在宅起訴しました。

和田佳代子記者:
「きょうの裁判は前回に引き続き被告人への質問が行われます。遺族の質問に対し何と答えるのか。元担任の被告の言葉に注目されます」

 5月15日午前10時に開廷した裁判では、まず弁護側から当時の担任の女性被告への被告人質問が行われました。

 事件当日のことを尋ねられると。

女性被告:
「補助の先生と話し合う時間もないほど忙しかったです。作業を優先するべきではなく、出席確認を優先するべきでした。私の責任で取り返しのつかないことをしました。死にたい気持ちと死んではいけない気持ちの繰り返しで、自分と向き合っていかなければならないと思って過ごしています」

 また被害者遺族として裁判に参加した千奈ちゃんの父親も被告人質問をしました。

【再現】
父親:
Q「当日千奈のことを何回いないと思いましたか」

女性被告:
A「5~6回くらいは思いましたが自分の意識の中で休みと思っていました」

父親:
Q「元園長とあなたの違いは過失か故意かだと思っています。千奈を救えたのはあなただけでした。あなたの罪のほうが重いと考えますが どう思いますか」

女性被告:
A「私の責任だと思っていますので、重いと思っています」

 次回の公判は6月13日に行われ、遺族が心情について意見陳述を行い結審します。

静岡地裁
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