園児がバスに置き去り死亡事件 遺族がこども園の廃園など求める署名提出 静岡・牧之原市  

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 静岡県牧之原市の認定こども園で、園児がバスに置き去りにされ死亡した事件で、遺族が廃園などを求める署名を市に提出しました。

 2022年、牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で、当時3歳の河本千奈(かわもと・ちな)ちゃんがおよそ5時間にわたって、送迎バスに置き去りにされ、重度の熱中症で死亡した事件。

 30日千奈ちゃんの父親が牧之原市役所を訪れ、杉本市長と面会しました。

千奈ちゃんの父親:
「子どもたちが安心して通える園になるよう、行政も動いていただけたらと思います。よろしくお願いします」

杉本市長:
「私も大変重い物だと思っているし、河本さんの思いに関しては私も共感するものであります」

 手渡されたのは園の廃園、または別の法人に運営を引き継ぐことを求めて、2023年9月からオンラインで行ってきた9520人分の署名です。遺族は市が交渉を進めて、園側の対応を促してほしいと訴えています。

千奈ちゃんの父親:
「私個人の力や意思では行政を動かすのは難しいと思ったので、今回この署名をさせていただいたという経緯もあります。なので、9520名の方の思いを汲み取っていただいて、子どもが安心して通える、保護者も通わせることができる、認定こども園を市も協力して作ってほしい、再生していってほしいと思っております」

 突然失われた、幼い命。事件当日、バスを運転していたのは元園長の増田立義(ますだ・たつよし)被告(74)。車内の確認を怠ったとして、業務上過失致死の罪に問われています。

初公判では、被害者参加制度で裁判に参加した千奈ちゃんの父親が増田被告に直接質問する場面もありました。

被告人質問:
Q千奈ちゃんの父親「廃園にすると約束したのではないか」
 
増田被告「私の言葉からは言えません」

千奈ちゃんの父親:
「もっと安心で安全、まともな経営陣が子ども達を見ればいいと思っていますので、重く受け止めて欲しいと考えております」

 川崎幼稚園の運営法人は市内で別の保育園も運営していて、事件後にいずれも運営を辞退する意向を示しましたが、現在に至るまで運営法人が変わることはなく、園は継続されています。

 署名を受け取った牧之原市の杉本市長は―

牧之原市 杉本基久雄市長:
「廃園にする・しないというところは、根本的には学園側が判断することであると思っております。社会的責任・道義的責任に基づいて、河本さんにしっかり説明をしていただきたいということですね。そういったことを学園側には伝えたいと思います」