【記者解説】 事件から58年 袴田巌さんの無罪確定

石田アナウンサー)Q検察側にはどんなことが求められる

白鳥衛記者)
・袴田さんの再審では静岡地裁が5点の衣類など3つの証拠を捏造と認定した。
・県警は「可能な範囲で改めて事実確認を行い、適正な捜査を推進する」とコメントしています。
・やはり証拠の捏造が認定された以上は検察と県警が検証を行い、その結果を公表する必要がある。

石田)
Q再審制度について様々な問題が指摘されてきたが

白鳥)
・袴田さんの再審では、静岡地裁が再審開始を決定してから裁判が始まるまでにおよそ10年の時間を要した。
・証拠関係では、検察や裁判所に証拠の提出の裁量があるため、弁護団が証拠の開示請求をしても、証拠が提出されるまでに時間を要する。
・さらに現在の再審法では検察の特別抗告は禁じられていないため、今回のように、検察の特別抗告によって裁判が長期化する懸念もある。
・ただ、きのう検事総長が発表した談話の中では「再審請求手続きが長期間に及んだことなど所要の検証を行いたい」とコメントしていますので、今後の動きに期待したいと思います。

石田)
Q今後の弁護団の動きは

白鳥)
・袴田さんは釈放される2014年まで47年以上獄中生活を送っていた。
・刑事補償法では無罪が確定した場合に補償される金額が決まっているため、47年以上拘束されていた袴田さんでいえば2億円以上の刑事補償金が支払われる見通し。
・さらに再審は終わったものの弁護団は新たに国家賠償請求訴訟を起こすことを検討しています。
・きのうの会見で小川弁護士は「判決の中で検察や警察の責任を認めており早い段階で決着がつけられるのではないか」と話していました。
・今回の裁判で証拠の捏造が認定された訳ですから、弁護団は県と国を相手取り国家賠償請求訴訟を起こす可能性は高いと考えられます。