袴田ひで子さん「巌を選挙に連れていく」 袴田巌さんに衆院選の投票所入場券が届く 44年ぶりに選挙権が回復
無罪が確定した袴田巌さんの自宅に、27日に投開票される衆院選の投票所入場券が届きました。袴田さんは44年ぶりに選挙権が回復しました。
●袴田ひで子さん:
「これで選挙権が復活しました。ありがとうございます」
笑顔を見せる袴田巌さんの姉・ひで子さん。16日、袴田さんに、27日投開票の衆院選と最高裁判事国民審査の投票所入場券が届きました。
14日、大勢の支援者に出迎えられた袴田さん。再審無罪が確定した後、初めて公の場に姿を現しました。
●袴田巌さん:
「長い闘いでございました。完全に無罪が実りました」
ひで子さんは「弟の死刑囚という肩書きをなくしてやりたい」とかねてから願ってきました。
●ひで子さん:
「死刑囚ではなくて一般市民として、巌がなりましたことをとても喜んでおります」
袴田さんは1980年に死刑が確定し、公職選挙法によって、選挙権を失いました。しかし、再審で無罪判決が言い渡され、その判決が確定。
弁護団の小川秀世(おがわ・ひでよ)弁護士は、静岡朝日テレビの番組で…。
●袴田事件弁護団 小川秀世主任弁護人:
「きのう(10/11)ですね、ひで子さんから選挙管理委員会に確認していただいて、それで『今度の選挙はできます、準備してます』という回答をいただいている。そういうところから普通の生活に徐々に戻っていけるんじゃないかと思っている」
袴田さんの選挙権が回復するのは、44年ぶりです。実は2014年に袴田さんが釈放された後、ひで子さんが「選挙に行ってくる」と、家を出ようとすると、袴田さんは「俺も行く」と言ったそうです。ただ、当時は袴田さんに選挙権がなく、連れて行くことができなかったといいます。
●袴田巌さん:
「新しい政治を行うようになって世界を動かす。自分がどれだけできるかということやってみる必要があると」
巌さんは48年の拘置所生活で、現実と妄想が入り混じった世界にいて、意思疎通が難しい状況が続いています。
それでも、ひで子さんは、「自分の名前を書くかもしれないけど、巖を選挙に連れて行くつもり」と、話しているということです。