犯行を行ったとする被告の別人格「殺害に関連する話をしなくなった」 浜松市で家族3人が殺害された事件の裁判 静岡地裁浜松支部
2022年浜松市で親族3人が殺害された事件の裁判で、被告の男は自分が持ち、犯行を行ったとする別人格について、「事件の1年以上前から殺害に関連するような話をしなくなった」と語りました。
元警察官の男(25)は、2022年3月、自宅で同居する祖父(79)ら親族3人の頭部をハンマーなどで殴り、殺害した罪に問われています。
男はこれまでの裁判で「自覚も記憶もない」と3人の殺害を否認。自分が持つ「ボウイ」という名前の別人格が犯行に及んだと主張しています。
裁判では「責任能力の有無」が大きな争点となっています。
21日は男への被告人質問が行われました。
その中で男は犯行を行ったとしている別人格の「ボウイ」が、虐待を行っていた家族について、「事件から2年以上前には『儀式をする』『仮面を剥がす』『痛みをわからせる』などと数カ月に渡り話していたものの、事件の1年以上には言わなくなった」と語りました。
また男は「ボウイ」について、「優しく接する場面もあり、事件前は自分を守ろうとしてくれていると感じていたが、今は危険だと思うので消すことしか考えていない」と証言しました。
裁判は男の「責任能力」をめぐり、今後、起訴前に男の精神状態を鑑定した医師2人が証人として出廷する予定です。