残すは25km…全線開通は2027年予定 全長700m日本最大級「アーチ橋」の契約額は800億円 「新東名高速“裏側”ツアー」に密着

 子どもたちがいるのは、新東名高速道路の“未開通区間”。普段は見られない珍しい工事車両や、目の前に広がる圧巻の光景に、興味津々です。子どもだけでなくオトナまで…。

親:「私がこの子たちをワクワクさせたくて連れてきたんですけど、一番興奮してるの私!」

親:「親が楽しいです!すごい感動しました。(娘が)冷めてます…」

残すは25km…全線開通は2027年予定 全長700m日本最大級「アーチ橋」の契約額は800億円 「新東名高速“裏側”ツアー」に密着

「小学生の新東名高速“裏側”ツアー」

 これは、ネクスコ中日本が企画した夏休みの特別イベントその名も、「小学生の新東名高速“裏側”ツアー」です。2012年に開通した新東名高速道路は、すでに全体の9割が完成。残すは静岡県の新御殿場インターチェンジと神奈川県の新秦野インターチェンジを結ぶ、およそ25キロの区間のみとなっています。

 「2027年中の完成」を目指し、工事が佳境に入る中、見学に訪れたのは、40人の小学生とその保護者です。

現場担当者説明:「山北スマートインターチェンジという、新東名高速道路のICを造っている」

 東京ドームおよそ3個分の、広大な敷地で建設中の「山北スマートインターチェンジ」。トンネル工事で発生した土砂を盛り土として活用し、その盛り土の上に道路を造る計画です。

 また、作業を効率化するため、ドローンで測量や設計を行っています。

残すは25km…全線開通は2027年予定 全長700m日本最大級「アーチ橋」の契約額は800億円 「新東名高速“裏側”ツアー」に密着

“はたらくクルマ”に大興奮

小学生の姉妹(東京都町田市)と親
Qきょうはなぜここへ?
親「(子どもが)道路工事とかに興味があったから」

親「工事現場を見たかったんでしょ?」
姉妹「うん」
Q.2人ともそうなんですか?
姉妹「うん」

姉「こういうところで、なんか動いてるところを見たことがなくて、見たかったから」

 ツアーでは、実際に工事で使っている重機に乗ることができ、“はたらくクルマ”を前に子どもたちも興味津々です。

小学生(神奈川県小田原市):「おれ、重ダンプ行く!一緒に行こう、パパ」

小学生(神奈川県小田原市):「やっぱり大きさが段違いで、タイヤが自分の身長よりデカいことにびっくりです」

保護者(神奈川県横浜市):「私がこの子たちをワクワクさせたくて来たんですけど、どうでしょう…。一番興奮しているのは私。こっち乗せてもらおう!行ってきます」

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 大人も思わず童心に帰る中、こんな“博士ちゃん”も。

小学生と親(神奈川県秦野市)
親「(子どもは)高速道路が好きなんです。NEXCOが好き。サービスエリアとか、全部地図で色んな名前を覚えて…」

Q.すごいね、どんなところが好き?
小学生「エスエーの中で?」
Q.うん
小学生「別府湾SA」
Q.おじさんにどんなSAか教えてくれる?
小学生「ドッグランがある」

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全長700m日本最大級「アーチ橋」

 一方で、この未開通区間は、深い山あいに位置し、新東名工事における“最難関区間”と言われています。その難所で建設中の、日本最大級の「アーチ橋(きょう)」が全長およそ700m、高さは、ビル30階分に相当する125mの河内川橋。未開通区間のおよそ8割が、こうした「橋」や「トンネル」などの構造物で、専門家助言のもと、ミリ単位で高難度の工事が続いています。

小学生の質問
Q.橋の建設費はいくらぐらい?
現場担当者「今の契約額で800億円」
子どもたち「やばっ」
親「桁が大きい…」

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 重機などは「インクライン」と呼ばれる工事用のエレベーターで運搬。総重量90トンまで耐えられる巨大な装置です。この「インクライン」をはじめ、橋本体の工事に入るまでに4年という長い歳月をかけ、工事のためのルートを整備したといいます。

 ツアーが進むにつれ、保護者からも質問が飛ぶなど、親子にとって貴重な時間になったようです。

保護者(神奈川県開成町):「これを一から造り上げていることに感動しました。できあがったらまた見に来たい」

保護者(御殿場市):「すごく大きくて、なかなか見ることないので、とても貴重な経験になった」

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NEXCO中日本秦野工事事務所 阪本麻紗子係長:「実際に間近で工事現場を見ていただく機会はないので、少しでも橋や高速道路に、これを機に興味を持って関心を広げてほしい」

 2027年中の全線開通を目指し、残すは“最難関区間”の25キロ。静岡県内を通る東名や中部横断道、三遠南信道路とともに、今では欠かすことのできない新東名。静岡へのアクセスや物流が格段に向上するプロジェクトに期待が膨らみます。

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