【リニア】着々と工事進む『神奈川県駅』に潜入 長さ680m、最大幅50m、深さ30m…工事は地下3階部分から 神奈川・相模原市

静岡・鈴木康友知事(10日):「水が一番大きな争点にもなってきていたわけで、その対話が終了したのは大きな節目を迎えたのではないかと思っている」

 10日の定例会見で鈴木知事が言及したのはリニア問題について。いわゆる“静岡問題”をめぐっては、2日に開かれた県の専門部会で「大井川の水問題」に関する議論が終了しています。これによって県が28項目あるとしていた“課題”は、「残土」と「生態系」あわせて18項目となりました。

静岡・鈴木康友知事(10日):「まだ生物多様性や残土のテーマが残っているので、一層スピード感をもって、かつ丁寧な流域の皆さんと話し合い等を含めて、丁寧な話し合いの中で、スピード感をもって進めていきたいと思う」

 最短でも2036年以降の開業とされているリニア中央新幹線。実は静岡県以外にも工事に遅れが出ていて、JR東海によりますと6月5日時点でその数は30工区となっています。

 それぞれの工区でその動向が注目される中、番組では工事が着々と進む“あの駅”に潜入取材しました。

白木愛奈アナウンサー:「神奈川県相模原市にやって来ました。私の後ろにあるのが、JRや京王線が乗り入れている橋本駅。そして道路を挟んですぐ反対側には白いフェンスがずっと続いています。このフェンスの向こう側で今、リニア新幹線・神奈川県駅の建設が行われています」

白木愛奈アナウンサー
白木愛奈アナウンサー

 番組取材班がやって来たのは、静岡県のお隣、神奈川県の相模原市。リニア・神奈川県駅の建設現場です。およそ12ヘクタール(東京ドーム2.6個分)の広大な土地で、5年半前から工事が行われています。

【リニア】着々と工事進む『神奈川県駅』に潜入 長さ680m、最大幅50m、深さ30m…工事は地下3階部分から 神奈川・相模原市

 まず案内されたのは、建設現場を見渡せる「さがみはらリニアひろば」です。

 長さ680m、最大幅50m、深さ30mの空間で建設が進む神奈川県駅。元々高校があったこの土地では、通常とは違った特別な工法で工事が行われています。

JR東海中央新幹線建設部 吉川太郎担当課長:「神奈川県駅は一般的な地下駅とつくり方が違って、ちょっと斜めの傾斜をつけた面をつくりながら掘削していくので、このような形で、すごく広い空間ができ上がっている」

【リニア】着々と工事進む『神奈川県駅』に潜入 長さ680m、最大幅50m、深さ30m…工事は地下3階部分から 神奈川・相模原市

 通常、都市部では、工事現場の周辺に建物があるため、まず地上から土留壁(どどめへき)という垂直の壁を施工。それを支保工(しほこう)という突っ張り棒のようなもので支えながら掘削します。

【リニア】着々と工事進む『神奈川県駅』に潜入 長さ680m、最大幅50m、深さ30m…工事は地下3階部分から 神奈川・相模原市

 一方、神奈川県駅は周辺に建物があまりないため、勾配をつけながら一定の深さまで掘削することが可能に…。都市部でこの工法が用いられるのは世界的にも珍しく、大型重機を使えるため工事が早く進むのです。

【リニア】着々と工事進む『神奈川県駅』に潜入 長さ680m、最大幅50m、深さ30m…工事は地下3階部分から 神奈川・相模原市

真上から見ると…「足が震える」

 そして、いよいよ建設現場へ。真上から見てみるとと…。

吉川課長:「ここはもう掘削が終わって、下から構造物をつくっています」
白木アナ:これすごいですね。

白木アナ:ものすごく深い。ちょっと足が震えるくらいの高さです。

 地下の3層構造となる神奈川県駅。今は地下3階部分で本線やホームを建設中で、今後、地下2階、地下1階へと工事が進んでいきます。

JR東海中央新幹線建設部 吉川太郎担当課長:「もう掘削はほとんど終わっているで、鉄筋コンクリートで駅本体を造っていくのがこれからの、メインの作業となる。この後、構造物がどんどん上がっていく。そういう中で地域の方に使ってもらう。駅を造って、その後があるので、できる限り地域の方と連携しながら工事を進めていきたい」

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