浜名湖の恵みを閉じ込めたスープカレーと、とろけるフレンチトースト 浜松市「フォンドカフェ」
浜松市北区細江町気賀。絵本のページから抜け出したような「パンプキンズハウス」の1階に、森のカフェをイメージした「Fond Cafe(フォンドカフェ)」がある。木の香り漂う店内に足を踏み入れると、やさしい空気が流れ、時間の歩みがゆるやかに感じられる。看板料理は「チキンとたっぷり野菜の収穫祭はまなこスープカレー」。オーブンで焼いた鶏ガラに玉ねぎやにんにく、生姜を合わせ、かつお節で旨みを重ねたスープに、自家製カレーペーストを溶かし込む。提供直前に追いスパイスすることで、香りと奥行きがいっそう際立つ。素揚げした旬の野菜を彩りよく盛り込めば、器の中はまさに収穫祭の風景だ。隣に添えられるのは浜名湖産のあおさ海苔。スープと一緒に口に運べば、海の香りとカレーのスパイスが意外な調和を奏でる。辛さは控えめでコク重視。子どもから年配まで、親子三代で分け合える懐の深い一皿だ。

甘い香りが漂うフレンチトーストも、この店を代表する存在。なかでも「ブリュレ仕立てのフレンチトースト・プレーン」は必食だろう。卵黄と牛乳で仕立てたアパレイユに一晩漬け込んだバゲットを、フライパンとオーブンでじっくり焼き上げる。仕上げに砂糖を振り、バーナーで炙ればキャラメリゼの香ばしさが広がる。表面はパリッと、ひと口かじれば中から卵のコクがとろけ出す。その食感のコントラストに、誰もが驚かされるはずだ。

フレンチトーストは9種類のフレーバーが用意されている。ショコラータの濃厚な甘み、ベリーミックスの酸味、黒蜜きなこの和の深み。気分に合わせて選ぶ楽しさも魅力だ。とびきり華やかさを求めるなら、「本気の幸子盛りプレート」を。9種類を一度に味わえる豪快な盛り合わせは、その名の通りSNS映え抜群で、思わず笑みがこぼれる一皿だ。

さらにデザート感覚で人気を集めているのが「飲むティラミスとフレンチトースト・生ショコラータ」。グラスの中のティラミスは口当たりなめらかで、添えられた生フレンチトーストをディップすれば、濃厚な甘みとほろ苦さが溶け合い、幸福感が押し寄せる。

「Fond Cafe」では、スープカレーとフレンチトーストを少しずつ味わえるハーフセットも用意されている。「軽めのはまなこスープカレー」と「ベリーミックスmini」を組み合わせれば、しっかり食べたい時も、甘いものを少し足したい時も満足させてくれる。

オープンから5年。気賀の地元に愛されながら、訪れる人に「ここに来てよかった」と思わせる一皿を届け続けている。浜名湖の恵みを取り入れたスープカレーと、とろけるフレンチトースト。食後には、また訪れたくなる余韻が残る。

Fond Cafe
浜松市浜名区細江町気賀213番 パンプキンズハウス1F
電話番号:053-523-8008
定休日: 月曜日・第2/4火曜
営業時間:10:00~18:00 L.O.17:30
Pあり