濃厚魚介豚骨と多彩な一杯 静岡市「まるさ商店」
静岡市清水区袖師町の清水マリンロード沿いに店を構える「ラーメン まるさ商店」。カウンターにテーブル、座敷までそろう店内は、一人でも家族連れでも過ごしやすい。開店から8年、地元で愛される理由は、居心地のよさとともに、力強い一杯にある。看板のひとつが「濃 魚介豚骨ラーメン」。豚骨スープに動物系を重ね、さらにサバ節・イワシ節・カツオ節を合わせる。仕上げにうるめイワシから抽出した油を落とし、深い旨みと香りを引き出す。濃厚でありながらくどさはなく、毎日でも食べたくなる。麺は京都の老舗製麺所から届く細いストレート。炙りを入れた豚バラチャーシューが香ばしさを添え、全体の輪郭をくっきりとさせている。

もうひとつの柱が「濃 魚介豚骨つけめん」。スープはラーメンと同じベースながら、ドロリと粘度を増し、旨みを凝縮。受け止めるのは茨城県から取り寄せる専用の太麺だ。強いコシと弾力が、濃厚なつけ汁に堂々と渡り合う。すすれば口中で重なり合い、噛み締めるたびに広がる余韻が力強い。

9月末まで「あっさりつけめん」が登場する。冷やしたつけ汁にカツオ節をきかせ、爽快感を前面に押し出した一杯。さらに麺そのものが貝出汁に浸されて供されるのも面白い。まずはそのまま啜り、海の香りを直に感じる。次に冷やしスープへと移れば、清涼感と旨みが一体となり、汗ばむ季節にぴったりの軽やかさが広がる。

刺激を求めるなら「渚の担々麺」。動物系のスープに魚粉を合わせ、白ごまと味噌を溶かした濃厚なベースに、辛みをきかせた豚ミンチをのせる。すすれば痺れるような辛さと旨みがせめぎ合い、気づけば汗がにじむ。だが、箸は止まらない。辛さと旨みの均衡に、つい夢中になる。

サイドの「九条ねぎめし」(250円)も見逃せない。熱いスープをかけ、雑炊のようにさらさらと流し込む。ラーメンの余韻を最後まで楽しめる、常連の定番だ。しかも麺もご飯も大盛り無料という太っ腹なサービス。満足感をさらに後押ししてくれる。

魚介豚骨の濃厚さに惹かれるもよし、夏の涼を求めて冷やしに手を伸ばすもよし。あるいは、担々麺の辛みで汗をかき、ねぎめしで締めるのもいい。気分に合わせて選べる多彩な顔ぶれが「まるさ商店」の魅力。今日の一杯が、また次の一杯を呼び寄せる。

まるさ商店
静岡市清水区袖師町1877-66
電話番号:054-368-5424
定休日:月曜日
営業時間:11:00-15:00/17:30-23:00 L.O.22:45 ※日曜日は20:00まで
Pあり