静岡市長の「市議選は時間と費用のムダ」発言に田久保市長は… 因縁の2人がまたバトルか 静岡・伊東市

 田久保市長による議会解散に伴い行われた静岡県の伊東市議選が、静岡市長から「時間と費用の無駄」と苦言を呈されたことについて、見解を問われた田久保真紀市長は明言を避けました。

 田久保市長は自身の学歴詐称の問題で市議会から不信任決議が出され、議会改革などを理由に議会を解散しています。解散に伴い6300万円の予算を投じて19日に市議選が行われましたが、定数20に対し、立候補した前職市議18人が全員当選。残り2枠には新人が当選しています。

静岡・伊東市 田久保真紀市長
静岡・伊東市 田久保真紀市長

 こうした中、静岡市の難波喬司市長は21日の定例会見で「地方自治法も想定の範囲内で作られているが、最近は選挙や政治の世界で想定していないことが起きている」と指摘。その上で伊東市議選について、「(議会の解散は)法律の規定に基づいてはいる」としながらも、大義がない解散だとしていて、「時間の無駄、費用の無駄」と断じました。

 こうした難波市長の“苦言”について、22日午前10時、市役所に登庁した田久保市長に記者が見解を問うと、田久保市長は「あ~」と声をあげましたが、その後は固く口を結んで一礼し、市長室に入っていきました。

 難波市長と田久保市長を巡っては、伊豆高原のメガソーラー事業をめぐり、意見が対立しています。「宅造許可の変更申請を認めて事業を前進させた」などと前市長を批判した田久保市長に対し、当時副知事だった難波市長は「要件が整ったら許可は出さないといけない」と反論。その後も田久保市長はSNSで「何故突然、静岡市の難波市長が今、このタイミングで伊東市の問題にこのようなコメントを出すのか。さすがに驚きました。事業は止まっているだけで裁判は続いていますし、私が公約に掲げているのはメガソーラー事業の一時停止ではなく『完全白紙撤回』です」と投稿すると、難波市長はそれに対し、「事業を実施できる状態になく、市長がいなければメガソーラーは止まらないことはない」「事実とは異なるような情報も出ていますから、事実をお伝えした」と“論戦”を繰り広げています。

静岡市の難波喬司市長
静岡市の難波喬司市長