「罰金額が少ないと抑止にならない」…太陽光発電施設に関する条例制定の検討会設置 悪質ケースは「採算が取れない抑止を」 静岡市

 静岡市は太陽光発電施設の適正な設置と維持管理に関する条例を制定しようと、有識者による検討部会を設置し、6日初会合を開きました。

 検討部会は静岡大学の木村浩之教授を部会長に、大学教授ら7人で構成されていて、6日の初会合で市は条例の骨子案を委員に示しました。骨子案は、事業者が太陽光発電施設を新たに設置する際に許可が必要であることなどが盛り込まれた「仙台市太陽光発電事業の健全かつ適正な導入、運用等の促進に関する条例(2023年10月1日施行)」を参考に作られました。

 骨子案によりますと、対象施設は静岡市に設置される出力10kW以上の太陽光発電施設(建築物に設置するものを除く)です。土砂災害や環境、景観などに大きな影響を及ぼす可能性がある保安林や土砂災害警戒区域、国指定名勝のうち三保の松原や日本平の指定範囲などを設置規制区域に設定。規制区域内に太陽光発電施設を設置する場合は市の許可が必要で、区域外に設置する場合は市に事業計画の届け出を必要とし、条例を違反した場合は市から指導や助言を行い、勧告や措置命令を経て許可の取り消しや事業者名簿などの公表、罰則を適用したい考えです。

 この罰則を設ける市の方針に対して委員から意見が相次ぎ「科料や罰金を設けた際、その額が低く抑止力にならない可能性がある。条例を違反した事業者は事業採算が取れなくなるような経済的な抑止も考えるべき」などの声が上がりました。市は「一番効果があるのは、再生可能エネルギーの固定価格買取制度の取り消し」だと主張。この制度は、再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度のことで、取り消されれば、事業者は建設コストの回収の見通しが立たなくなり、採算性を確保できなくなる可能性があります。市は「制度は国が運用しているので、国に働き掛けをしていきたい」との考えを示しました。

 市は具体的な条例文を12月に開かれる次回の検討部会で委員に示し、来年3末月までに条例案を作成。来年の6月議会への上程を図りたい考えです。

6日の初会合
6日の初会合