子育てをする母親の不安やストレスを解消する「赤ちゃん食堂」 そこには若いお母さんたちのどんな不安にも寄り添うベテランの助産師さんが 静岡・御前崎市
子育てをする母親の不安やストレスを解消しようと静岡県御前崎市で新たな取り組みが始まりました。
「こども食堂」ならぬ「赤ちゃん食堂」です。
おはな助産院 野口智美さん
「いきますよ~せーの、いただきます!」
堀優奈アナウンサー
「こちらの助産院で開かれているのは、子ども食堂ならぬ赤ちゃん食堂です。0歳から2歳までの赤ちゃんとその親を対象に食事を提供しています。」
御前崎市にある「おはな助産院」。
アットホームな雰囲気で、妊娠・出産・産後のケアを行う施設です。
「赤ちゃん食堂」とは、離乳食や親の食事が提供される場所のこと。
育児に関する悩みを助産師に相談したり、親同士で共有したりできます。
“孤立育児”を解消する一手として、全国的にも広がりを見せています。
お母さん
「赤ちゃんと一緒に来られて安心した場所でごはんがいただけるのですごい救われてます。」
「やっぱり孤立しやすくなっちゃってるので、こういう場があるとすごくうれしい。」
野口智美さん
助産院を営む野口智美さん(51)は、その道28年のベテラン。
自身も10歳から23歳までの4人の子を育てる
母親です。
おはな助産院 野口智美さんON
「私自身が第一子(を育てている)ときに、大阪からこっち(御前崎)に引っ越してきて、友達もいない中での子育てだったので、誰かと喋りたいみたいなのがすごくあって。そういう孤独なお母さんを1人でも無くしたいなっていうのもあります。」
今年で15年目を迎えた助産院。
野口さんが子育てに余裕ができたことをきっかけに、今年9月から「赤ちゃん食堂」を始めました。
利用料は、初回親子で500円、2回目以降は1000円です。
10組の親子のために、食事の準備が進められています。
「(コツコツ)もうちょいもうちょい」
調理師の川口なつみさん
野口さんとともにキッチンに立つのは、調理師の川口なつみさん(33)9年前に、この助産院で第2子を出産しました。
調理師 川口なつみさん
「ここで出産して、さらにこうやって協力できているのがうれしいなと思いますね。自分の時こういう場があったら絶対来てると思うので(笑)」
この日の赤ちゃん用の献立は、かぼちゃのドリア」に「大根の葉の胡麻和え」、「ポトフ」。
栄養バランスはもちろん、彩りにもこだわった手作りの離乳食です。
お母さん
「離乳食がやっぱり最近ちょっと途中で飽きちゃったりとか、そういう不安要素があったので。」
Q きょう、離乳食はどうでしたか?
「完食(笑)(空のお皿見せる)完食で~す!」
お母さん
「早かったです!もっと食べたいって!これが1番おいしかったそうです!」
お母さんたちのどんな不安にも
外食などで特に気をつかう“赤ちゃんの泣き声”も、ここでは気にする必要がありません。
おはな助産院 野口智美さん
「なんなら泣いてくれたほうがあんなに泣いても大丈夫なんだとか。赤ちゃんとお母さんがいる普段の生活がここにあるのが赤ちゃん食堂だと思っているので」
これまで助産師として800人以上の赤ちゃんを
取り上げてきた野口さん。
お母さんたちのどんな不安にも寄り添います。
悩むお母さん
「1時間半くらいかな?泣き叫んで。もうこっちが泣きそうになるくらいで…」
おはな助産院 野口智美さん
「できたら抱っこで寝かしつけたあと置いて、トントンで、うっとりしてるときに寝かせる。」
ごはんタイムに…
赤ちゃんのごはんが終わると、お母さんたちのごはんタイム。
その間、助産師が赤ちゃんを見守ってくれます。
「(友達だけど)2人でゆっくり食べるのいつぶり?」
「初めてレベル(笑)」
「初めてレベルです~」
Q 味はいかがですか。
「おいしいです(泣)」
「人に作ってもらったごはんがありがとうって感じ!」
ゆっくりごはんを食べる時間は、お母さんにとって、本当に゛貴重なひととき″です。
そんな中、こんなサプライズも!
お母さん
「お?お?うわああああ!すごいすごい!すごいじゃーん!」
“あんよ”の第一歩を踏み出した瞬間です。
赤ちゃんも思わず自分に拍手。
野口さんは、子育てに不安や戸惑いを抱えるお母さんに、「一人じゃない」と感じてもらいたいといいます。
おはな助産院 野口智美さん
「どうしようもなくなったときに駆け込む場所で頭に浮かんでくれたら、それもすごくうれしいですね。」
