三島で啜る長崎の魂。本場のコクと激辛の熱狂 「ぐらBar亭」

 三島市本町(ほんちょう)。1991年からこの地で鍋を振り続ける「ぐらBar亭(ぐらばーてい)」は、2026年で35周年を迎える長崎ちゃんぽんの古豪だ。音楽好きの店主・末永勝美さんは、親の故郷である長崎・佐世保の縁で、長崎新地中華街の名店「福壽」にて8年間の修業を積んだ筋金入り。長崎に行かずとも、ここ三島で本場の味が楽しめるとあって、長崎出身の客も太鼓判を押す。
 看板メニューの「長崎ちゃんぽん」は、ラードで野菜を豪快に炒めるところから幕を開ける。野菜、麺、具材をすべて一つの鍋で煮込むのが本場の流儀。スープは鶏ガラ100%と野菜のみで引かれ、濃厚なコクがありながらも後味はあっさりと仕上がっている。麺はもちろん、ハンペンやチクワといった具材、さらには調味料に至るまで長崎から取り寄せる徹底ぶりで、現地の味を忠実に再現している。太くてコシのあるちゃんぽん麺に、鶏の旨味が凝縮したスープが絡みつく瞬間は、まさに至福だ。

長崎ちゃんぽん(ランチ990円/ディナー1100円)
長崎ちゃんぽん(ランチ990円/ディナー1100円)

 しかし、この店の魅力は伝統を守るだけではない。アレンジを効かせた「辛口ちゃんぽん」は、豆板醤を炒めて加えることで、スープが食欲をそそる赤色に染まる。ピリッとした辛味が鶏ガラスープと相まって、特に女性客からの支持が厚い一杯だ。

辛口ちゃんぽん(ランチ1100円/ディナー1210円)
辛口ちゃんぽん(ランチ1100円/ディナー1210円)

 さらに刺激を求めるなら、辛みマックスの「激辛ちゃんぽん」への挑戦権がある。乾燥赤唐辛子、青唐辛子、韓国産粉唐辛子をブレンドして加えられた辛さは、食べた瞬間に汗が吹き出すレベル。店主が「初めての方にはまずスタンダードを食べてから」と諭すほどの、シビれる辛さがそこにある。

激辛ちゃんぽん(ランチ1210円/ディナー1430円)
激辛ちゃんぽん(ランチ1210円/ディナー1430円)

 また、ちゃんぽん麺を中華鍋で炒め、その上からたっぷりの具材を盛り付けた「皿うどん」も、焼きそばのような独特の食感が楽しめる長崎のローカルフード。カレーとちゃんぽんを融合させた「カレー風味の創作ちゃんぽん」など、遊び心あるメニューも並ぶ。

皿うどん(ランチ990円/ディナー1100円)
皿うどん(ランチ990円/ディナー1100円)

 スープ作りが命と語る店主。三島の地で30年以上愛され続ける理由は、本場への敬意と、飽くなき探求心にあるのかもしれない。

三島で啜る長崎の魂。本場のコクと激辛の熱狂 「ぐらBar亭」

ぐらBar亭
三島市本町7-4 石村ビル1階
電話番号:090-3453-5032
定休日: 日曜日、木曜日、不定休
営業時間:11:00-14:00 L.O.13:45/17:00-なくなり次第終了
※月曜日はランチのみ
Pなし

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