「利他」の心が空間と料理に宿る大人の洋食 浜松市「キッチン リタ」
浜松市中央区佐鳴台。2年前にオープンした「Kitchen Rita(キッチン リタ)」は、訪れる客に安らぎと喜びを提供する「利他(りた)の精神」を店名に掲げている。店内は、奥様のセンスで飾られた無数のドライフラワーが彩る、まるで別世界のような美しい空間。20代から60代まで幅広い客層を惹きつけるのは、この心遣いと、確かな技術に裏打ちされた料理の力だ。
ランチの主役を張るのは、迫力満点の「トンテキ プレート」だ。リブロースを使用するトンテキは、適度な脂身を含み、柔らかくジューシーな肉質を持つ。これを「グリドル」と呼ばれる高温の鉄板で均一に焼き上げ、肉汁をしっかりと閉じ込める。 その厚切り肉にかかるのは、スパイシーで酸味の利いた、やや濃厚なソース。濃いめのソースが肉の甘みと旨味を増幅させ、添えられた雑穀米が次々と進む。
視覚でも楽しませてくれるのが、生クリームとサワークリーム、そしてレモンで仕上げた爽やかなクリームソースのパスタ。 このパスタには、スペイン産の生ハムを花のように、ベビーリーフを花畑のように見立てた、芸術的な盛り付けが施されている。生ハムの程よい塩気がソースのクリーミーさと酸味を引き締め、見た目と味わいの双方で幸福感をもたらしてくれる。
王道を楽しみたいなら、「モッツァレラとベーコンのトマトソースパスタ」が良い。ガーリックオイルで炒めたベーコンと甘めのトマトソースに、とろとろに溶けたモッツァレラチーズが絡み合う、誰もが納得するクラシックな組み合わせだ。
ディナー限定で登場するのが、2024年から始まった「煮込みハンバーグ」。牛ひき肉100%、約200gのハンバーグは、表面を焼いた後、デミグラスソースと共にオーブンでじっくりと焼き込む。肉汁がデミグラスソースに溶け出し、濃厚でありながらも肉の旨味を最大限に引き出す逸品だ。
空間、料理、そして細やかなサービスすべてに「他人のために」という優しさが息づく「キッチン リタ」。ドライフラワーに囲まれながら、心洗われる洋食のひとときを過ごしてみてはいかがだろうか。
Kitchen Rita
浜松市中央区佐鳴台3-57-17
電話番号:053-489-8820
定休日:木曜日/月曜日のディナー
営業時間:11:30-14:00 L.O.
17:30-21:00 L.O.
Pあり

