合宿所のロビーが美食の舞台に。菊川で出会う「かつとじ」と「箱舟」の驚き 「nicola terrace」
「えっ、ここがレストラン?」 足を踏み入れた瞬間、その開放的な空間に驚かされるかもしれない。菊川市大石。市営の合宿もできる宿泊施設「小菊荘」の中に、2025年4月、新たな食のスポットが誕生した。「nicola terrace(ニコラテラス)」だ。かつてロビーだった場所を改装し、100席もの広さを誇るレストランへと生まれ変わらせたこの店は、ランチメニューが約50種類という圧倒的なラインナップで、訪れる人々の胃袋を掴んで離さない。
数あるメニューの中で、まず食すべきは「かつとじ定食」だ。実はこのメニュー、菊川発祥の「某有名ハンバーグ店」の初期メニューにルーツを持つ。熟成豚を使用した揚げたてのとんかつと、溶き卵・砂糖・みりんなどが入った特製の甘辛出汁が陶板に乗って運ばれてくる。グツグツと音を立てる陶板の上で、自分好みの加減に卵を仕上げていくのだ。熱々でサックサクの衣に、出汁を吸ったふわとろの卵が絡みつく瞬間は、まさに至福である。
海鮮好きなら、ネーミングもユニークな「タコも納得イカす魚介の釜めし」を選びたい。蓋を開けた瞬間に広がるのは、タコとイカの磯の香り。魚介から溢れ出た出汁が米一粒一粒に染み込んでおり、まるでパエリアのような濃厚な旨味が凝縮されている。
洋食メニューの白眉は、芳醇な香りを纏った「きのことベーコンのトリュフクリームソースパスタ」だ。ソースからはトリュフの香りが立ち上る。濃厚なクリームソースが麺にしっかりと絡み、口いっぱいにリッチな風味が広がる。
「あれもこれも食べたい」という欲張りな夢を叶えてくれるのが、その名も「ノアの箱舟」。長さおよそ1メートルの舟盛り容器に、メイン料理に加え、揚げ物や煮物、デザートなど10品以上が賑やかに同乗している。 選べるメインの一つ、「和牛ステーキ」は、国産和牛を使用。玉ねぎの効いた甘辛いソースが、程よく脂の乗った柔らかい肉の旨味を引き立て、口の中でとろける美味しさだ。
この店ならではの究極の過ごし方が「まったりプラン」だ。宿泊施設の空き部屋を利用し、朝9時から夕方4時まで滞在可能。お1人様2000円で、1100円までのランチが付いてくるという破格の内容である(プラス料金でドリンクバーも利用可)。
「ニコラテラス」には、時間も種類も、思う存分「選べる」自由がある。
nicola terrace(小菊荘内)
菊川市大石88
電話番号:0537-73-2460
定休日: 木曜日
営業時間:11:30~14:30(14:00 L.O)/17:00~21:00(20:30 L.O)
Pあり

