新そばと三陸産濃厚カキ 歴史が支える至極の一杯 静岡市「安田屋本店」

 静岡市葵区横内町。暖簾をくぐると、そこには慶応2年創業、160年の歴史を重ねてきた「老舗蕎麦庵 安田屋本店」がある。明治維新の頃からこの地でそばを打ち続け、現在は五代目がその味を守っている。
 冬にぜひ味わいたいのが、この時季限定の「かき南ばん」。三陸産の牡蠣をさっと煮含め、ぷりっとした食感を残したまま供される。やや甘めのつゆを支えるのは、本ガツオ、サバ節、宗田節、昆布を重ねた出汁。その奥行きが、牡蠣のミルキーな旨みを静かに引き立てる。合わせるそばは北海道産の新そばを使った二八。立ち上がる香りの良さが、湯気の中で際立つ。

かき南ばん(1900円)※季節限定
かき南ばん(1900円)※季節限定

 もう一つの冬の定番が「けんちんそば」。大根、ごぼう、にんじん、里芋、きのこ類など、およそ11種類の具材を使い、葛でとろみをつけた一杯だ。つゆがそばに絡み、食べ進めるほどに体の芯まで温まっていく。

けんちん(1700円)※季節限定
けんちん(1700円)※季節限定

 意外性のある一品が「あったかいおろし」。湯通ししたそばに温かいつゆを合わせ、「桜えび花まきおろし」として供される。生のサクラエビを菜種油で散らし揚げにし、花びらのように盛り付ける趣向。香ばしさとだしの温もりが同時に広がる、寒い時季ならではの一杯だ。

桜えび花まきおろし(1250円)※季節限定
桜えび花まきおろし(1250円)※季節限定

 平日限定のランチでは、そばとかつ丼のセットも用意される。昔から変わらぬソース風味のかつ丼は、素朴ながら記憶に残る味わい。代々一子相伝で受け継がれてきた仕事が、今も静かに息づいている。

かつ丼とそば(1100円)※平日昼限定
かつ丼とそば(1100円)※平日昼限定

 寒い季節こそ、その真価がわかる。安田屋本店のそばは、歴史と温度で語りかけてくる。

新そばと三陸産濃厚カキ 歴史が支える至極の一杯 静岡市「安田屋本店」

老舗蕎麦庵 安田屋本店
静岡市葵区横内町53-1
電話番号:054-245-0981
定休日: 水・木曜日
営業時間:11:00-14:30 L.O.14:00/17:00-20:00 L.O.
Pあり

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