大井川鉄道が「黒いSL」を「トーマス」の友人「パーシー号」に改装 驚きの一手に「ローカル鉄道の再生請負人」鳥塚社長は 静岡・島田市
苦しい経営が続く大井川鉄道が、「驚きの一手」を発表しました。これまで営業運転に使用していた「黒いSL」を、「きかんしゃトーマス号」の親友、緑色の「パーシー号」に改装することになったのです。
大井川鉄道 鳥塚亮社長:「我々は株式会社、いち民間の鉄道会社として、第一義的にやらなくてはいけないのは、お客様に乗っていただくこと」
12日、大井川鉄道沿線には、カメラを持った大勢の人が。その「お目当て」は、「黒いSL」として親しまれてきたC10型8号機。1930年(昭和5年)に製造された蒸気機関車で、大井川鉄道を走る最も古いSLです。このSLが「きかんしゃトーマス号」の仲間、「パーシー号」に改装されることが決まり、「黒いSL」をカメラにおさめようと、鉄道ファンが集結したのです。
富士市から60代:「乗ったことは1度ぐらいしかないが、ちょっと寂しい」
東京都から70代:「なくなっちゃうの? なくなるのは困ります」
東京都から80代:「我々の年代からすると残念だよね」
「ローカル鉄道の再生請負人」鳥塚社長に聞く
歴史ある「黒いSL」を、なぜ「パーシー」にするのか? 「ローカル鉄道の再生請負人」とも呼ばれている鳥塚社長に聞きました。
大井川鉄道 鳥塚亮社長:「実は去年黒いSLが故障して、その後10月にトーマスも故障して、黒いSLの代替車両を造ったほうがいいのか、トーマスの代替車両を造ったほうがいいのかということを、社内で考えたところ、トーマスの代替車両を造ったほうが経営的にプラスになるだろうという判断」
4年前の台風によって、現在も、19.5kmの区間が使用できない大井川鉄道。およそ21億円とされる復旧費用のうち、大井川鉄道の負担分は、およそ8億円。その一部を、県と島田市、川根本町が肩代わりすることが決まり、2025年12月、ようやく復旧工事が始まりました。こうした厳しい経営状況を背景に、「黒いSL」を新たな姿にする決断をしたのです。
大井川鉄道 鳥塚亮社長:「蒸気機関車は1年のうち8カ月しか走れない、4カ月間は検査・修繕をしなければならない、非常に手がかかる乗り物だが、稼ぎ頭なので、稼げるところ、売れ筋商品を強化することは、経営的に民間会社は、そこをやっていかなければならないということは、ご理解いただきたい」
全国から多くのファンが…
沿線に来ていた鉄道ファンも、大井川鉄道の「決断」に理解を示しているようです。
埼玉県から50代:「集客を考えると、トーマスにせざるを得ないという事情はよく分かる」
秋田県から70代:「子どもがたくさん来てくれれば、それについて保護者も来るから、それが現状では一番いいのではないか」
島田市から50代:「早く千頭まで復旧してもらって、とりえず存続をと思っている」
新金谷駅には、「黒いSL」との別れを惜しむ、多くの鉄道ファンが集まっていました。
磐田市から30代:「黒いSLが最後なので、最後に乗っておこうかと思って」
沼津市から30代:「昔から見ていた物なので寂しいが、これからパーシーになると聞いているので、この子パーシーが大好きなので、次のパーシーも楽しみ」
SLに乗車した3歳
Q:パーシー楽しみですか?
(うなづく)
石上雄基ディレクター(大井川鉄道新金谷駅 12日):「午後5時です。きょう3往復の運行を終えた黒いSL、C10型蒸気機関車が車庫に入ります。この様子を多くの鉄道ファンが見守っています」
大井川鉄道では、すでにC10型の改装作業を始めています。3月中旬には、「パーシー号」として運行を開始する計画で、その後は「トーマス号」も運行開始に。秋頃には「トーマス」と「パーシー」の共演も見られる予定です。
いっぽうで、昭和の時代から愛され続けてきた「黒いSL」は、大井川鉄道から姿を消してしまうのでしょうか?
鳥塚社長「必ず復活させる」
大井川鉄道 鳥塚亮社長:「私は、黒いSLは必ず復活させようと考えている。このC10の8(C10型8号機)には、全線復旧まで頑張って、もうひと稼ぎしてくれというのが、今回、私がパーシーに託す思い」
SLと共に地域に根付いてきた大井川鉄道。全線復旧が見込まれる2029年以降に「黒いSL」の運行を復活させる予定だといいます。それまでの間は、子どもたちに人気の青と緑の「きかんしゃ」が、
大井川鉄道の「けん引役」となりそうです。
