ペンを握った手が生み出す絵でみんなを笑顔に! さまざまなハンデを抱えるアートデザイナー 静岡・焼津市で個展を開催中
静岡県焼津市のギャラリーではアートデザイナー「Tomoka」さんの個展が開かれています。知的障害があり、さまざまなハンデを抱えているTomokaさんですが、ペンを握った手が生み出す絵は見る人を笑顔にします。(取材・文=三浦徹)
焼津市三ヶ名の「焼き菓子 cafe Huit. inハットリ製茶」で、2月2日から開かれている絵画の作品展示会「こころ動くままに」。
展示されている作品を描いたのはアートデザイナー「Tomoka」さん(27)です。1998年に藤枝市で生まれたTomokaさん。生まれてすぐ二分脊椎と診断され、水頭症など多くの合併症も併発しました。知的障害もあり、知的レベルは現在3歳程度ということです。
●Tomokaさんの母・菅原みつ子さん:
「妊娠中に障害が分かりました。胎児のときに水頭症が見つかって、そのまま出産しました。出産した後、すぐ二分脊椎と診断され、そのまま県立こども病院で手術をしました」
Tomokaさんは小さいころから絵を描くのが好きで、ペンを持たせると自由にいろいろな所に描いていたということです。県立こども病院に入院中にペンで布団に絵を描いてしまい、親が付き添っている時しかペンを渡してもらえなくなったそうです。
●菅原みつ子さん:
「Tomokaはほかの子と比べて、いろんなことが遅れていて、知能とかも他の子より遅いんですけど、ペンは早くから上手に持てていました。気づいたら、鉛筆とかペンで絵を描いていました」
●Tomokaさんの父・菅原景吾さん:
「病院ではサインペンやクレヨンで絵を描いていました。風景や物というより、人の顔を書くのが好きでした。自分の顔、お友達の顔とかママの顔とか。最近は外に出る機会も少なくなってきたので、絵を描くためにTomokaを連れて外に出ています。コーヒーショップだったり、港だったり、動物園だったり、いろんなところに行って絵を描いています」
会場には、これまで描いた40点の作品の中から、みんなのお気に入りだという10作品が展示されています。「ゆきだるま」や「おじぞうさん」などおもわず笑顔になる作品がいっぱい。
●菅原景吾さん:
「Tomokaの作品は、笑っているところとか楽しい感じの暖かい絵です。人の絵を描いても、必ず最後はにこっとしている。悲しい絵は描きません。来てくださった方が喜んで笑って帰ってくれるので、個展を開いてよかったと思います」
会場には、Tomokaさんの絵が描かれたTシャツやトートバックなどのグッズも販売されています。これらのグッズは2025年6月に景吾さんがたちあげた「Heart hands」が製作しました。
●菅原景吾さん:
「Tomokaが社会とつながれるように洋服のブランドを立ちあげました。Tomokaが得意なのは絵だから、その時書いた絵を、しっかりとしたブランドにして、Tシャツやグッズにして、世の中に出す。絵を気に入ってくれた人が買ってくれたら、デザイン料として8~10%のマージンが入ります。Tomokaは作業所には通えないんですけど、そういう才能でこの子がお金をいただくことができるんじゃないか。そういう活動がしたいと思っていました」
現在のデザイナーはTomokaさんだけですが、将来は活動を広げていきたいと景吾さんは考えています。
●菅原景吾さん:
「医療的ケアが必要な子の中にも、絵が描けたり物が作れたりする子もいます。その子が一生懸命に描いた絵を私が集めて、きちっとした服にする。そしてその子にデザイン料をお支払いできれば、その子は社会としっかりつながることができます。そういう親御さんは正社員として働くことが難しかったりするので、経済的な負担を減らすこともできると思います。きっかけがあれば、『うちの子もいけるかも』とか『うちの子はこんなことできないか』という考え方も生まれてくる。ご相談いただければ一緒にできることを考えていきたいと思います」
Tomokaさんの個展「こころ動くままに」は2月28日まで、焼津市の「焼き菓子 cafe Huit. inハットリ製茶」で開かれています。入場無料で期間中グッズ販売もあります。