輸入に頼る「レアアース」 実は国内に埋もれたレアアースが…“宝の山”「都市鉱山」とは 

高市早苗総理大臣(施政方針演説 2月):「世界に先駆けたフュージョンエネルギーの早期社会実装を目指します。レアアース資源の活用に向け、取り組みを急ぎます」

 国産化に向けて、大きな転換点を迎えている、「レアアース」。スマートフォンやパソコンなど様々な製品に使われ、もはや私たちの生活に欠かせない存在です。

レアアース
レアアース

 これまでは、ほぼすべてを海外からの輸入に頼っていましたが、清水港を拠点とする「探査船ちきゅう」によって、南鳥島近海で、レアアース泥の採掘に成功。2028年以降の商業化に期待が高まる一方で、かねて“宝の山”と称されてきたのが「都市鉱山」です。

 「都市鉱山」とは、廃棄される家電製品や電子機器の中に含まれる金属資源を、鉱山での採掘になぞらえた言葉。都市鉱山でいえば、日本は世界トップレベルの“資源大国”とも言われます。

「探査船ちきゅう」がレアアース泥の採掘に成功
「探査船ちきゅう」がレアアース泥の採掘に成功

 県内で唯一、この“都市鉱山のリサイクル”に取り組む企業が…。

堀アナ:「音もクレーンの大きさも本当に大迫力ですね」
エコネコル営業部中川景太主任「1日約200トンの自動車などの廃材を取り扱っていて、全長約10mのクレーンで最初の破砕機に入れる工程がこちらの場所。皆さんにはゴミに見えてしまうかもしれないが、私たちにとっては宝の山の源泉みたいな取り扱いをしている」

輸入に頼る「レアアース」 実は国内に埋もれたレアアースが…“宝の山”「都市鉱山」とは 

 富士宮市にある、主に金属のスクラップを手掛ける企業の本社工場。金属探知や色の識別センサーなど、最新技術で廃材を選別し、そのリサイクル率は業界でもトップクラスです。

 1トンの廃材からわずか数グラムしかとれない金や銀などの貴金属の回収も行っていて、金だけでも、年間30キロ近くをリサイクルしています。

エコネコル営業部 中川景太主任
「馴染みがあるところで言うと、カーナビなどの電源に基板が使われていて、基板から金やレアメタルが取れる。金や銀まで選別技術でリサイクルするのが強み」

 そんな中、いま特に力を入れているのが…。

堀アナ:「先ほどと違う静かな雰囲気ですね」
中川さん:「こちらは都市鉱山から貴重なレアアースや貴金属を回収している工場。ノートパソコンなどに含まれるハードディスク。この中の一部にこういった部品があって、この中にレアアースの「ネオジム」が含まれている」
堀アナ:「ついに来ましたね、レアアース。
中川さん:「はい、そうですね

 こちらがレアアースの一つ、「ネオジム」を原料とする、ネオジム磁石。

堀アナ:「(外そうとして)固!え!」
中川さん:「なかなか人の手ではとれないと思う。単純に上に持ち上げるだけだと難しくて、横にずらしてようやくギリギリとれるくらいの硬さ」
堀アナ:「あ、とれた。おー!これがネオジム磁石」
中川さん:「そうですね」

 一般的な磁石の10倍以上の磁力があることから、自動車やドローンなど、様々な工業製品に幅広く使われている「ネオジム磁石」。しかし、国内ではその原料となるネオジムがほぼ採取できず、資源の“国内循環”が課題に…。

 そこで始めたのが、都市鉱山からの“レアアースのリサイクル”。国内でも取り組んでいる企業は、ごくわずかだそうです。

エコネコル営業部 中川景太主任:「本当に細かい部品や物を取り出す作業なので、作業員の技術が光る選別」
Q.これは手作業でないとできない?
中川さん:「まだまだ機械の方が、作業員の技術に追いついていない。こうしたスピーディーな手選別も弊社の技術の一つ」

 世界トップレベルの技術をもつイギリスの会社と連携し、回収したネオジム磁石の新たなリサイクル方法を模索しているといい、将来的には自社でリサイクルを完結させたい考えです。

 国内での資源循環に向けた取り組みが進められています。希少鉱物のリサイクルは、これだけではありません。

VOLTA営業課菊田大樹課長
Q,ここはどんな工場なんですか?
菊田さん:「ここはリチウムイオン電池をリサイクルしていて、「レアメタル」が多く含まれている「ブラックマス」を生産している工場」

 使用済みのリチウムイオン電池からつくられる、「ブラックマス」。ニッケルやコバルトといった、希少な「レアメタル」が含まれています。発火しやすいバッテリーのリサイクルには高い技術力が必要になりますが、独自の技術で、およそ50%のリサイクル率を実現。

 現在は年間およそ1500トンを金属の精製メーカーへ出荷しています。工場内は完全企業秘密ということで、残念ながら撮影はNG…。ただ、今回は特別に、撮影してもらった製造ラインの一部を見せてもらいました。

VOLTA営業課 菊田大樹課長:「こちらは無害化したリチウムイオン電池を破砕したあとに、ふるいを使って選別を行っている。ブラックマスは全てふるいの下部分にサイズが小さいものとして回収される仕組み」

Q.この技術を持っているのは全国でどれぐらい?
A.「全国的に見てもリチウムイオン電池のリサイクル事業者は6~7社だけ。安全で適正な回収をすれば、貴重な資源になるので、引き続きこの貴重な資源を回収しリサイクルしていく」

 日本を“資源大国”にする可能性を秘めた、“希少鉱物”のリサイクル。県内唯一の取り組みを手掛ける、グループ会社の代表は…。

エンビプロ・ホールディングス 佐野文勝代表:「リサイクルは原料を集めることがスタート。日本は資源のない国で、海外からの輸入に依存しているので、原料を国内で循環させることが我々の使命」