今年は蚊の当たり年!? 専門家に聞く早期化の理由と意外な対策 長期化する蚊シーズン「刺されない夏」のカギとは
今年も近づく“蚊の季節”。だが今年は、その到来が例年より早いと感じている人が多いようだ。
街の声を聞くと、すでに被害は広がっている。「祭りに行くと蚊がたくさん飛んでいて、今年は100回くらい刺されている」「寝ている間に5~6カ所刺された。対策はまだ早いと思って何もしていなかった」と話す人も。
こうした中、虫ケア用品大手のアース製薬は先月中旬、SNSで「もう蚊に気をつけて。出てるぞ!」と異例ともいえる早い段階で注意を呼びかけた。なぜ今年は蚊の出現が早いのか―。
アース製薬・赤穂研究部で害虫の飼育を担当する「生物飼育のマイスター」、有吉立さんに聞いた。
【暑さで発生が前倒し 「当たり年」の可能性も】
まず今年の特徴について、こう指摘する。「5月から記録的な暑さが続いている。蚊が羽化するために十分な気温の日が多く、例年よりかなり前倒しで発生している可能性がある」
蚊が成長しやすいのは25℃から30℃程度。この条件が早い時期からそろったことで、発生そのものが前倒しになったとみられる。さらに「蚊にとって環境が非常に良くなっているため、“当たり年”になる可能性もある」と警鐘を鳴らす。
【「わずかな水」で繁殖 身近な場所が発生源に】
では、蚊はどこで増えているのか。家の周りの水たまりに注意が必要だという。
蚊は、庭のバケツや植木鉢の受け皿、雨どいに詰まった落ち葉など、わずか2~3ミリ程度の水でも卵を産むことができる。さらに、卵から成虫になるまではおよそ10日ほど。気付かないうちに、身の回りで大量発生しているケースも少なくない。まずは発生源を断つことが重要。家の周囲に水がたまっていないかを確認することが、対策の第一歩になる。
【刺されやすい人の特徴とは】
さらに気になるのが、「なぜ自分ばかり刺されるのか」という疑問だ。刺されやすい人には共通点は、体温が高い人、汗をかいている人、黒っぽい服を着ている人。
蚊は“明暗”で対象を識別し、暗い色を好む性質がある。そのため黒や濃い色の服装は、蚊を引き寄せやすいという。さらに、お酒を飲んだ後や汗をかいた状態も引き寄せやすいといい、日常のちょっとした行動も影響する。加えて、「蚊は足元を狙うことが多い」として、靴下や靴の着用も有効な対策の一つとしている。
【対策のポイントは「環境」と「塗り方」】
具体的な対策について、有吉さんは大きく2つのポイントを挙げる。
① 発生源をなくすこと
ベランダや庭、エアコンの室外機周り、空き缶やバケツのくぼみなど、水がたまる場所を徹底的にチェック。雨の後は特に注意が必要だ。
② 虫よけはムラなく使うこと
虫よけ剤はムラなく塗ることが重要。蚊は塗られていない部分を集中的に狙う特性があるためだ。また、香りについては、フローラル系は蚊が好み、逆に柑橘系は比較的嫌われやすいとされている。
【「秋まで注意」二度のピークの可能性】
最後に、有吉さんは今後の見通しをこう語る。「梅雨時期の7月ごろまでは発生が多い。その後、猛暑で一時的に活動が鈍る可能性はあるが、気温が下がる9月から10月に再びピークが来る可能性がある。11月ごろまでは注意が必要」
例年より早く始まり、長く続く可能性がある今年の蚊シーズン。身近な環境の見直しと日々の工夫が、“刺されない夏”のカギとなりそうだ。