手火山のカツオ節を引き切った一杯と、煮干しで香りをつけた豚骨 沼津市「らーめん くろがね」
だしの取り方を変えると、ラーメンの性格は一気に変わる。JR沼津駅前、仲見世商店街の「らーめん くろがね」は、その違いをそのまま出している。2012年に開店し、2020年に現在地へ移転。静岡の食材を中心に据えながら、味の向きを2方向に振る。
「あっさりの紫」はカツオ節で引く。手火山式で仕上げた節を使い、朝から約2時間かけてだしを取る。合わせるのは御殿場の天野醤油。節の香りが前に出るが、後味は濁らない。飲み進めるほどに、かつおの輪郭がはっきりしてくる。麺は全粒粉入りの細麺。表面はなめらかで、スープを抱え込みすぎない。すすった時に香りが先に抜ける。具材は豚肩ロースと鶏モモ。豚は味を含ませてしっとり仕上げ、鶏は蒸して水分を残す。噛み心地に差を持たせて、単調にならないようにする。
夏限定の「極節の菖蒲(あやめ)」は食べ方が変わる一杯だ。麺に昆布水を絡めた状態で出されるため、そのままでも食べられる。途中で地元の巴醤油を加えると味が締まる。さらに、だしを取った後の節を使ったふりかけを加えると、香りが一段強くなる。途中で手順を変えながら食べ進める形だ。
もう一方の「こってりの黒」は豚骨にカツオを合わせる。そこへ焦がした煮干しを加えて香りをつける。油の層でまろやかに寄せつつ、魚介の気配は消さない。重たさよりも香ばしさが残る仕上がりになる。
サイドの五目炒飯は、天野醤油とカツオだしで味を決める。具材の多さより、ベースの味で押す一皿。最後まで崩れず食べられる。
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あっさりを選べば節の香りが前に出る。こってりを選べば油と煮干しが広がる。同じ店でも印象ははっきり分かれる。
らーめんくろがね
住所:沼津市大手町5-8-2
電話番号:055-919-0024
定休日:月曜日/日曜日の夜
営業時間:11:00-15:00 / 17:30-21:00
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