GWの駐車場予約制で来園者4割減 動物園が見直しでV字回復した理由

 周辺道路の渋滞緩和のため、静岡市の日本平動物園は昨年、ゴールデンウイーク(GW)期間中の駐車場を初めて完全予約制で運用しました。その結果、渋滞は解消された一方で、来園者数は大幅に減少しました。この結果を踏まえ、動物園は今年、駐車場の運用方法を見直しました。(取材・文=三浦徹)

 休日になると家族連れなど多くの人でにぎわう日本平動物園。GW期間中は来園者が集中し、周辺道路の渋滞が例年問題となっていました。

 そこで動物園は渋滞対策として、昨年、駐車場の「完全予約制」を試験的に導入しました。予約は来園希望日の前日まで受け付け、当日の予約は不可としました。また、駐車場に空きがある場合でも、予約のない車は原則利用できない運用としていました。

 その結果、昨年のGW期間中は周辺道路の渋滞がほぼ発生せず、当初の目的であった渋滞緩和は達成されました。一方で、来園者数は前年と比べて約4割減少する結果となりました。

日本平動物園
日本平動物園

今年は駐車場を「一部予約制」に

 そこで動物園は今年、駐車場の運用を見直しました。予約が必要なのは午後1時までとし、それ以降は予約がなくても利用できる「一部予約制」を導入しました。予約枠を入園時間ごとに1時間単位で設定し、それぞれに利用台数の上限を設けました。上限に達した時間帯は、その時点で予約受付を終了する仕組みです。

●日本平動物園企画係  太田さん:
「5月3日から5日にかけては、午前9時30分~10時30分、10時30分~11時30分の2つの時間帯で駐車場の予約率が100%に達しました。また、事前には午後1時から予約制を解除すると告知していましたが、当日の駐車場の利用状況を踏まえ、予約制解除の時間を前倒ししました。5月4日は午前10時30分に予約制を解除にしています。時間変更はホームページやXで告知しました。昨年は試験的な導入だったため、渋滞の発生や利用者の混乱を防ぐことを最優先に運用しました。実際に運用したことで状況が把握できたので、今年はできるだけ柔軟に対応できる仕組みにしました」

開園を待つ人(5月5日)
開園を待つ人(5月5日)

予約の確認方法も変更

 また今年は、予約の確認方法も変更しました。来園希望者がホームページで予約すると、動物園から確認用のはがきが郵送され、来園時に提示してもらう方式です。はがきの発送期間を確保するため、予約の締め切りは4月22日と、昨年よりも早く設定されました。その影響もあり、当初は予約数が伸び悩みましたが、ここでも柔軟な対応を行いました。

●日本平動物園企画係  太田さん:
「4月22日までの申込数は全体の20%程度と低調でした。GWの予定は直前に決める人が多く、締め切りが早かったことが要因とみられます。そこでWEBによる2次募集を実施するとともに、はがきが手元に届いていない場合でも、予約完了メールを入口で提示すれば入場できるよう運用を見直しました。」

 さらに、開園時間も通常より1時間早い午前8時に繰り上げました。

にぎわう日本平動物園(5月5日)
にぎわう日本平動物園(5月5日)

GWの入園者は約5000人増

 こうした柔軟な対応が功を奏し、今年のGW期間中の来園者数は1万8324人となりました。これは昨年を約5,000人上回り、前年比138%となっています。

●日本平動物園 企画係  太田さん:
「今回初めて時間枠を設けたことに加え、開園時間を早めたことで、来園者の来園時間を分散させる効果が見られました。昨年は予約のない車を十分に受け入れられなかったことが課題でしたが、今年は大きな渋滞も発生せず、来園者数も増加しました。これらの結果から、駐車場予約制の導入による来園者減少という課題は一定程度解決できたと考えています」

 来園者数は昨年を大幅に上回ったものの、一昨年と比べると約85%の水準にとどまっています。来年以降の運用については、今回の結果を踏まえ今後検討していく予定とのことです。柔軟な対応を継続することで、さらなる来園者増加の余地はありそうです。

日本平動物園 企画係  太田さん
日本平動物園 企画係  太田さん