かつて団体客でにぎわった大宴会場がキッズパークに 時代の流れを感じる「ホテルニューアカオ」のリニューアル 静岡・熱海市
1973年に開業した静岡県熱海市の「ホテルニューアカオ」。昭和の香りを色濃く残す、熱海のシンボルというべきホテルですが、4月から、段階的にリニューアル工事が予定されています。今回、リニューアル前の館内を公開するプレスツアーが実施されました。(取材・文=三浦徹)
3月26日に行われたのは「ホテルニューアカオ改装前プレスツアー」。およそ30人が参加しました。今回のリニューアルの目的は?
●ホテルニューアカオ 久米暢総支配人:
「ホテルニューアカオは50年以上の歴史があります。館内のあちこちに歴史を感じさせる魅力的な部分があるので、ホテルニューアカオならではの価値を活かしながら進化させていく。ホテルの魅力は残しながら、お客様の宿泊体験をいかに高めるかというのが改装の目的です」
リニューアルといえば、通常は改修後に施設をお披露目するケースが多いのですが、改修前の施設を報道陣に公開するのは異例。なぜこのようなツアーを?
●ホテルニューアカオ 久米暢総支配人:
「リニューアル後ですと、注目されるのはその一瞬だけです。ホテルの現在、過去、未来を公開すれば、それがアーカイブとなります。取材していただくことで、ホテルニューアカオのファンの方にも私たちの取り組みを知っていただくことができます」
今回のリニューアルの目玉は、海を望むテラスレストランのオープンです。
ホテルニューアカオの象徴的な空間である、巨大なオペラハウスを彷彿させる「メインダイニング錦」。その岸壁エリアを刷新し、海をより感じられる開放的なテラスレストランが新たに誕生します。
また、かつての大浴場も改修され復活します。オーシャン・ウイング1階の大浴場は2018年まで使用されていましたが、施設の老朽化を理由に使用されなくなっていました。
ホテルニューアカオには現在3つの大浴場がありますが、利用客の増加に伴い、かつての大浴場が復活することになりました。
リニューアル前の大浴場エリアはメディアには初公開の場所。現在、通常は立ち入り禁止のエリアに、ヘルメットを着用した参加者が案内されました。
高い天井と格子状の基礎に、会場を支える大きな柱が立っている、まるで遺跡のような空間です。ホテルによれば、ローマのテルマエを彷彿させる、大浴場になるとのことですが、今の姿からはどんな大浴場になるかイメージができず、今後の展望が気になります。
そして今回のリニューアルで時代の変遷を感じるのが、かつての大宴会場が、子ども向けのエリアに生まれ変わること。昔の熱海といえば、東京から社員旅行などで団体旅行のイメージがありました。
「錦松・羽衣の間」は100人以上が入ることができる、まさに時代を象徴する大宴会場でした。小さなステージもあり、社員旅行などで訪れた人が、宴会で出し物やカラオケなどを披露している姿が想像できました。
その施設が全天候型の室内プレイエリア「キッズパーク」として生まれ変わります。
●ホテルニューアカオ 久米暢総支配人:
「かつて熱海に多かった大型の団体旅行は減り、グループサイズが小さくなってきており、今は個人旅行が中心です。引き続き宴会の需要はありますが、その規模は縮小しており、100人規模の宴会需要は多くはありません。そうした時代の流れや需要の変化をくみ取り、今後、ホテルを長く運営していく上で、核となっていくのが、お子様のいる中間世代。この世代をしっかり取り込みたいと思い、思い切った転換を考えました。しっかりとどの世代でも楽しんでいただけるようなホテルづくりをめざしていきたいと思っています」
館内のリニューアルは段階的に行われ、2027年2月に完成する予定です。