【静岡高校野球2026】夏の主役は俺たちだ・投手編
サウスポー四天王
今夏も静岡の頂点を争う戦いの中心には、髙部陸(聖隷クリストファー)の存在がある。センバツ出場は逃したものの、一冬を越えて下半身にたくましさが増した。この春には自己最速の150キロを計測。さらに6月6日の招待試合では、今春のセンバツ王者・大阪桐蔭を相手に2失点完投勝利を挙げた。今夏も主役の座をつかみ、“髙部スマイル”を見ることができるか。
プロのスカウトが熱視線を送るのが佐藤大介(常葉大菊川)だ。140キロ台の快速球をコーナーに投げ分け、変化球の精度も高い。打撃面でも評価が高く、シャープなスイングで広角に打ち分ける。今春はコンディション不良でベンチを外れたが、復帰後は安打を量産している。
この春、チームを初の県優勝に導いた渡邉大地(知徳)も見逃せない。身長192センチの長身から繰り出すボールは腕の出どころが見づらく、ストレートと同じ軌道から変化球がベース手前で鋭く曲がる。春の県大会では2日間で267球を投げ抜くなど、スタミナ面にも自信を持つ。
安定感なら、鈴木颯真(静岡)も負けていない。最速142キロのストレートにチェンジアップなどの変化球を織り交ぜ、打者を打ち取る。走者を背負っても間合いを巧みに操るなど、投球術にも長ける。
磐田勢の左腕コンビと復活の藤浪
磐田勢の2人のサウスポーも必見だ。中村朔隆(磐田西)は勢いのあるフォームから140キロ近いストレートを投げ込む。初戦では県屈指のスラッガー・後藤幸樹を擁する沼津商と対戦。注目の対決となりそうだ。一方、寺田京祐(磐田農)は長身から切り込むクロスファイヤーが魅力。制球面に課題を残すものの、本来の力を発揮すれば打者を圧倒する力を秘めている。
最後の夏に虎視眈々と頂点を狙っているのが藤浪ムサシ(静清)。「島田ボーイズ」では、ボーイズ中日本代表の一員として世界大会優勝の実績を持つ。高校入学後、肩の痛みに苦しんできたが、この春、投手として復帰。球速は130キロ前後ながら、スリークオーターの独特なフォームから、ベース上で強さを感じるストレートを投げ込む。
2年生の長身左腕・疋田大築(湖西)は将来性豊かな原石だ。まだ頻度は低いが、指にかかったときのストレートは目を見張る。齋藤哲男監督によると、「とにかく投げることが大好き」というタイプで、回を追うごとにエンジンがかかり、マウンドを楽しんでいく。
剛腕たちが狙う夏の頂点
右腕に目を移せば、真っ先に名前が挙がるのが慶田盛海志(オイスカ浜松国際)だ。沖縄・石垣島からやってきた剛腕。今年に入ってからは故障や発熱などで状態が上がらなかったが、6月に実戦復帰するとパワフルな投球を披露した。体のエンジンは大きく、この夏に150キロ近いストレートを投げても不思議ではない。
昨秋、藤枝明誠を撃破した浅田陽天(掛川東)は、しなやかな腕の振りが魅力。回転数の高いストレートを武器に勝負する。
今春、チームを初のシード校へ導いた山下陽斗(藤枝東)も夏を盛り上げる存在となりそうだ。捕手の要求通りに投げ込む制球力でフライアウトの山を築く。ここ一番では魂のこもったストレートで打者をねじ伏せる。
右サイドの水野稜太(浜松湖北)が投げ込む140キロ台中盤のストレートは威力十分。適度な荒れ球も持ち味で、打者は狙い球を定めにくい。
春の県大会でノーヒットノーランを達成した水町蒼河(東海大静岡翔洋)、最速145キロまで球速を伸ばした山本詠太(日大三島)も県上位ランクの力を持つ。
2年生では山本蒼翔(浜松開誠館)のスケール感が際立つ。角度のあるストレートは「エグい」の一言。さらに、パワーピッチャーの小幡隼也(浜松商)、本格派右腕の加藤元気(掛川西)、1年夏から登板を重ねる佐藤透哉(加藤学園)にもブレークの期待がかかる。
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取材・文=栗山 司
くりやま・つかさ 1977年、静岡県生まれ。スポーツライター・編集者。雑誌『野球小僧』の編集者を経てフリーに。2012年に地元・静岡に根差した野球雑誌『静岡高校野球』を自費出版で立ち上げ、年2~3回発行。ブログ『静岡野球スカウティングレポート』(http://tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com/
) でも県内の野球情報を発信する。
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