【衝撃】静岡はアボカド栽培“発祥の地”…温暖な伊豆では60年以上前から栽培 県は去年から「産地化プロジェクト」

静岡県 鈴木康友知事(2025年会見)
「気候変動に適応した新たな農産物の開発のためアボカドの産地化を目指し…」

 県が去年、新たな取り組みとして始めた「しずおかアボカド産地化プロジェクト」。実は静岡県には、アボカドをめぐる驚きの事実が!

河津町地域おこし協力隊 岡愛香梨さん:「実はこれ樹齢60年ほどと言われていて」
伊地健治アナウンサー:「60年ほど!」
岡さん:「日本で初めて露地での結実に成功した個体と言われています」

 60年前にアボカドの産地化を目指した町が。県が立ち上げたプロジェクトは2年目に突入。アボカド栽培の最前線を取材しました、そもそも「しずおかアボカド産地化プロジェクト」とは?

静岡県農業戦略課 眞殿侑樹さん:「今後まだ気温上昇していたりした時に、お茶やみかんだけではなくて、それを補完するような作物になる可能性があるのではないかと考えて、先行して亜熱帯作物の栽培の研究を始めているところです」

 このプロジェクトによって、県内の複数箇所でアボカドが生産されている事実が発覚。それぞれの栽培方法や、その土地の条件などを調査し、県の試験所でもアボカドの研究を始めています。

眞殿侑樹さん:「今後栽培事例集というのを作ろうと思っているので、そのためのデータを集積しているところ。静岡のアボカドっていうのが販売していけると面白いのかなと期待をしております」

衝撃の事実…静岡はアボカド栽培の“発祥の地”

伊地健治アナウンサー:「河津町の温泉会館の入り口に来ましたけれども、岡さん、ここにアボカドの木がある」

河津町地域おこし協力隊 岡愛香梨さん:「そうなんです。ここは国指定の天然記念物の『新町のソテツ』という有名なソテツがあって、皆さんソテツばかり見られている」

 そのソテツの横にある樹齢60年のアボカドの木。じつはこれ、日本で初めて露地で実をつけたアボカドなんです。

 案内してくれたのは、河津町地域おこし協力隊の岡愛香梨さん。岡さんは静岡大学農学部でアボカドを研究。さらにアボカドの原産地メキシコに1年間留学し、県のプロジェクトでも、講演を行うなどまさにアボカド栽培のエキスパート! シャツもアボカドです。

伊地健治アナウンサー(左)と岡愛香梨さん
伊地健治アナウンサー(左)と岡愛香梨さん

岡さん:「皆さんやっぱりこのすごい見た目のソテツにばかり目がいってしまうと思うんですけど、実はこの向かい側にある木がアボカドでして」

伊地アナ:「これですか。これアボカドの木なんですか。私はアボカドの木って多分生まれて初めて見たんですけど、これ樹齢何年ぐらいなんですか?」

岡さん:「実は樹齢60年ほどと言われていて、郷土資料が残っているんですけど。一応日本で初めて露地での結実に成功した個体というふうに言われています」

 60年前にすでにアボカドの木が育っていた伊豆の南部、河津町。20本ほど植えられていた木は現在この2本だけに。

伊地アナ:「なぜ河津町に樹齢60年ほどのアボカドの木があるのか、どういう経緯で植えられたんですか」

【衝撃】静岡はアボカド栽培“発祥の地”…温暖な伊豆では60年以上前から栽培 県は去年から「産地化プロジェクト」

岡さん:「どうやら正木源七郎さんという元町長が、ミカンに代わる特産品をということで、河津で盛り上げていけないかという思いで植えられたというふうに伺っています」

伊地アナ:「60年以上前にそういうことがあった。ものすごく先見の明があったってことですね」

岡さん:「そうですね。その時は個人で少し試験的に栽培をされていたレベルで、元々お花農家さんだったそうなので、少し可能性を探るという意味で残されていたのが、ただ今静岡県も産地間取り組んでいる中で、60年経った今、何かピックアップされていけば、ここがシンボルとなって、河津の中で産地化が進めばいいなと思っています」

 今でも、この木で毎年50個ほどのアボカドが収穫できるそうです。

伊地アナ:「ちょっと私見つけました。今こうやってみてですね。実がなっていますよね。ちょっと緑色の小さいのなんかね。これアボカドの実ってことですかね?」

岡さん:「そうですね。この品種はだいたい8月の下旬から9月頃に成熟期を迎えるんですけど。もう少し大きく。これの倍ぐらいには大きくなります」

伊地アナ:「これの倍っていってもこのぐらいですか。ちょっと小さめ。私たちが普段スーパーで目にするものよりは」

岡さん:「そうですね。スーパーの品種とは全く異なる品種で、ナスみたいな見た目になります。皮がすごく薄くて真っ黒に熟して。皮ごと食べられる品種になります」

伊地アナ:「例えば、私たちよく食べるアボカドとは味も違う感じですかね?」

岡さん:「国産だと完熟までの上に置かせておけるというメリットもあるので。そういった意味でかなりクリーミーですし、やっぱり品種によって微妙な風味が違ったりとかっていうのが面白いところかなと思います」

【衝撃】静岡はアボカド栽培“発祥の地”…温暖な伊豆では60年以上前から栽培 県は去年から「産地化プロジェクト」

 植樹当時、産地化はほとんど進みませんでしたが、河津町は熱帯果樹のアボカドが育ちやすい温暖な環境ということで内には庭先に何気なくアボカドの樹が植えられていたりするそうです。こちらの樹は12年前にスーパーで買ったアボカドを食べた後、種を植えたところここまで育ち、去年は実もなったそうです。

岡さん:「一般的にスーパーに売られている「ハス種」というのは、かなり耐寒性が弱い品種だと言われていて」

伊地アナ:「寒さに弱い」

岡さん:「私もあれを植えても実はならないよって、いつもお話ししていたんですけど、河津に来てみたらじつは実がなるんだということを知ってしまって、ちょっとアボカド研究者名乗れないかなと思いました」

 河津町内にはアボカド農家が何軒かあるということで、岡さんと一緒に伺うことに。

伊地アナ:「周りを見るとみかんですよね。ここはみかんの農場ってことですよね。そうですね。その中にアボカドの木を何本ぐらい植えられているんですか」

萩原さん:「そうですね。ここは5本ですけども。試験的に5本植えてありますけど。他の5カ所ぐらいに40本ぐらい」

伊地アナ:「今見ると結構あの辺とか実がついてますけど。これはいつ頃収穫できるかと。どんな種類のアボカド」

萩原さん:「これはサンミゲルという品種なんですけど、順調にいきますと11月から12月に掛けて(収穫できる)品種になります」

岡さん:「サンミゲルってそんなに寒さに強いって言われている
品種ではないんですけど。こんなにたくさん実が付いているのを初めて私も見ました」

 萩原さんがアボカド栽培を始めた理由は、父親の時代から続くみかんが作りにくくなったからだといいます。

【衝撃】静岡はアボカド栽培“発祥の地”…温暖な伊豆では60年以上前から栽培 県は去年から「産地化プロジェクト」

萩原さん:「やっぱり夏場の日照ですね。そういったことでいいものがだんだん取れなくなってきた」
伊地アナ:「日照が強すぎる?」
萩原さん:「強すぎるんですね。そうしますとやはり日照で日焼けっていうんでしょうか。色が変色しちゃいます。売り物にならないと」

 さらに、柑橘栽培にかかる労力の問題もあるといいます

萩原さん:「(アボカドは手間がかからず)高齢者の転換作物として検討されていると聞きましてね、試験的にやってみようということで、自主的に試行錯誤をして、今やっているような次第です」

 こうした自主的な取り組みが今後のプロジェクトの力になるといいます

伊地アナ:「この場所に来るよりも前からこういう農家の方々が
作っていて。まさに大きくなってみをつけているアボカドの木を見た時はどんな風に感じました」

岡さん:「いやもう本当に感動しましたよね。自分で接ぎ木をされたりだとか、あとは害虫の防除もいろいろ工夫されていて、こういういろいろな工夫の中から私も色々と情報を集めていて、何かお役に立てればと思っている」

 静岡県の成長戦略として期待される「アボカドプロジェクト」。今後の展開も注目です。