卵を崩せば、薬膳カレードリアはもっとまろやかに 静岡市「COFFEE HOUSE 散歩道」

 熱いドリアの中央にスプーンを入れ、卵を崩す。カレーとホワイトソースに黄身のコクが加わり、味がいっそう丸くなる。静岡市清水区八坂東の「COFFEE HOUSE 散歩道」は、1988年創業。近くに公園があり、主婦層をはじめ、家族連れや友人同士、カップルまで幅広い客が訪れる。隠れ家のような店内で味わえるのは、薬膳の知識を取り入れた料理と、昔ながらの喫茶店の洋食だ。
 1番人気は「陽」の要素を取り入れた「極陽えびカレードリア」。「薬膳カレー」とホワイトソースを合わせ、卵、エビ、チーズを入れてオーブンで焼き上げる。カレーの風味をホワイトソースがやわらげ、卵を混ぜればさらに濃厚に。プリッとしたエビが、なめらかな口当たりの中に変化をつける。体を温める食材を主に使う「陽」の考え方を、親しみやすいドリアで楽しめる。

卵を崩せば、薬膳カレードリアはもっとまろやかに 静岡市「COFFEE HOUSE 散歩道」

 定番人気の「陽の薬膳カレー」には、ブロッコリーを丸ごと煮込む。調理に油を加えず、使うのは肉から出る脂だけ。カレーにはニンニクとショウガが入り、強い辛さを押し出すのではなく、食べた後に温かさを感じられる味を目指している。上には、サツマイモ、ニンジン、カボチャなどを揚げて盛り付ける。肉と野菜の甘みが先に届き、ニンニクやショウガの風味が後から現れる。スパイスを使いながらも辛さは穏やかで、子どもにも食べやすい。

陽の薬膳カレーランチセット(1200円)
陽の薬膳カレーランチセット(1200円)

 「ナポリタン」は、喫茶店らしい懐かしさを真っすぐ味わわせる。ピザソースとケチャップを使い、タマネギ、ピーマン、キノコ、トマト、ベーコンをたっぷり加える。ケチャップは鍋肌に当て、香ばしさを出してから麺へ絡めるのがポイント。フレッシュトマトのほのかな酸味とベーコンの塩気が入り、甘いケチャップ味に奥行きが生まれる。大人には懐かしく、子どもにも人気の一品だ。

野菜ナポリタン(800円)
野菜ナポリタン(800円)

 創業当初から続く「ミックスピザ」も、散歩道の38年を知る料理のひとつ。タマネギ、ピーマン、トウモロコシ、トマト、ベーコン、チーズを使い、仕上げにサラミをのせる。生地はもちもちとした食感で、野菜の歯ざわりやトウモロコシの甘み、ベーコンとサラミの塩気を一度に受け止める。具だくさんでも、味の着地点はあくまで昔ながらの喫茶店ピザにある。

ミックスピザ(800円)
ミックスピザ(800円)

 薬膳を難しく語るのではなく、カレーやドリアへ自然に取り入れる。その一方で、ナポリタンとピザは、食べ慣れた味を大きく変えない。初めて訪れても妙に落ち着くのは、新しい知恵と懐かしい洋食が、同じ喫茶店の時間に収まっているからだろう。酸味とコクの釣り合いを取ったサイフォンの「散歩道ブレンド」を飲みながら、次はどちらの味を選ぶか考えたくなる。

卵を崩せば、薬膳カレードリアはもっとまろやかに 静岡市「COFFEE HOUSE 散歩道」

COFFEE HOUSE 散歩道
住所:静岡市清水区八坂東1-14-3
電話番号:054-366-2458
定休日:水曜日
営業時間:10:00-18:00
Pあり