苗1万2000株全滅、被害4500万円…竜巻から1年、イチゴ農家の再出発 静岡・吉田町

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 2025年9月に静岡県の牧之原市や吉田町などを襲った国内最大級の竜巻からまもなく1年。甚大な被害を受けた吉田町のイチゴ農家の今を取材しました。

 ようやくハウスにイチゴが戻って来ました。

中村農園 中村敦さん:「ちょっと朝起きるとつらい。なにか、やっぱりその竜巻の時期が近づいているせいなのか、暑さなのかはよく分からないですけど」

 吉田町にある中村農園の中村敦さんです。新しく建てたビニールハウスに、イチゴの苗が1万2000株。7月に植え終わりました。

中村農園 中村敦さん:「結構つらい時期が、先が見えない時期が長くあったので、今ここまで復旧できたのでちょっとほっとしてます」

 あの日、竜巻が全てを吹き飛ばしました。

 4年前に開いた中村さんの農園では、5棟あったビニールハウスが全て倒壊。イチゴの苗およそ1万2000株も全滅しました。被害額はイチゴだけでおよそ1300万円。設備への被害を含めると4500万円を超えました。さらにハウスを建てるために借りた初期費用およそ3000万円は借金として残ったままでした。

中村農園 中村敦さん:「先は本当に分からない状況で、何をしていいのかが分からなかったので、毎日なかなか眠れなかったり」

 東京・八王子市から電気工事会社を辞め、2022年に移住してきました。

中村農園 中村敦さん:「家族もいますし、生活もしていかないといけないんで、もうやるしかないなという感じですけど」

苗1万2000株全滅、被害4500万円…竜巻から1年、イチゴ農家の再出発 静岡・吉田町

 この1年、撤去作業に追われながらも国の補助金などを使い、壊れたビニールハウス5棟を建て直しました。

中村農園 中村敦さん:「貯金を切り崩しながら生活費30万毎月おろしてたのを、ちょっとやっぱり少なめに20万ぐらいにして、本当にギリギリの生活で」

 ビニールハウスの組み立てや解体作業のアルバイトで生活をつないできましたが、イチゴ農家としての収入はこの1年間ありません。

 今年、新たな品種のイチゴを育て始めました。

中村農園・中村敦さん:「スタートラインに立ったってところですよね」

苗1万2000株全滅、被害4500万円…竜巻から1年、イチゴ農家の再出発 静岡・吉田町

 県が10年ぶりに開発した生育が早く、気温が高い時期でも安定して育つイチゴです。

中村農園 中村敦さん「16号育てたい人の(募集が)あったので、ちょっとやってみようかなという」

 1年ぶりにイチゴを育てる生活が戻ってきました。

中村農園 中村敦さん:「ハウスの借金もまだ残ってますんで、辞めるにもやめられないですし、(作っていた)イチゴおいしかったよっていうお声もいただきますし、ほんとみんなに助けられたんで、やめるわけにはいかない」

 12月に迎える1年ぶりの収穫。中村さんはその日を待ち続けます。