刑務所などを出た人たちを受け入れる日本で最初の更生施設「静岡県勧善会」 3年半の休止を挟み2月に再開 広がる支援の輪
刑務所などを出た人たちを受け入れる、日本で最初の更生施設「静岡県勧善会」。施設は3年半の休止を挟み2月に再開。この夏、支援の輪が広がってきました。
静岡市の塩ラーメン専門店「汐のや」の寺田さん。看板商品をふるまいにきたのは、静岡県勧善会(かんぜんかい)。刑務所から出所した人たちに泊まる場所を提供し、仕事も紹介する日本で最初の更生保護施設です。
▼汐のや 寺田浩光さん:
「一応おかわりするかもしれないので、ちょっと多めに持ってきました」
Q何ラーメン?
「塩ラーメンです。一応うちの売りを」
▼汐のや 寺田浩光さん:
「今お店があるところが地元です。恩返しじゃないですけど、何かちょっとでもやれることがあればという感じで」
午後5時半が勧善会の夕食時間です。3年半止まっていた出所者の受け入れが2月から再開し、この時は13人が施設に。
▼汐のや 寺田浩光さん:
「すいません、お待たせしました。 塩ラーメン二つです」
▼入所者A:
「ラーメンは1年ぶりくらいですね。去年の9月くらいですね、最後食べたの。うん。うん。おいしいですね。久しぶりに食べるだけあって」
食費は1人3食で1日千円ほど。外食することはめったにありません。
▼入所者B:
「ここにいるとなかなかそういう機会がないですから、やっぱりこういう機会があるとやっぱうれしいですよ」
社会との接点が更生につながるように。7月から市内の飲食店が料理を提供してくれるようになりました。
▼静岡県勧善会 藤原豊彦施設長:
「こういう本当に職人さんが作っていただくおいしいラーメンなんていうのは、まず食べる機会はありません。そういう意味では非常に助かります」
▼汐のや 寺田浩光さん:
「ここにいる方たちが出た時にラーメン屋さんで働いて自分のお店を持ってもらいたいという気持ちに少しでもなってもらえればいいなと」
入所者が施設にいられるのはおよそ半年。この日は、再開した勧善会に最初に入った60代の男性が施設を出る日でした。
「直前は熱海の警察署に。自分の場合は無銭飲食」
逮捕されたのは去年11月。ここにたどり着いたのは2月。いろいろありました。
▼60代男性
「2回ぐらい酒飲んで怒られてます。始末書書いてます」
半年間で働き口を見つけることは、できませんでした。
▼60代男性
「面接も3社ぐらい受けたけど、やっぱ年もそうですし、腰とかいう話をすると、一発でだめです。それだけじゃないんでしょうけどね。やっぱり犯罪者というのも」
今後はしばらく生活保護で暮らします。
施設を出る手続きの最中でした。
▼60代男性:
Qこの写真なんですか?
「嫁さんと息子。もうだいぶでかいですけどね、子ども。三十いくつになっている」
Q分かれて以来息子さんとも連絡を取ってない?
「とってないよ」
▼60代男性:
「どうもお世話になりました。皆さんお元気で。それじゃ」
新しい家は車で10分ほど。
▼60代男性:
Q家賃って、ちなみにいくらぐらいですか?
「3万9000円」
Qまずは何をしてみたい?
「まずは何してみたいんだろう。まだ考え中ですね。とりあえずは酒でも飲みますか」
勧善会では施設を出た後もフォローアップする体制をとっていますが…。
▼60代男性:
「多分相談しないと思う。自分で動くと思う」
男性が施設を出ておよそ2週間。
▼静岡県勧善会 藤原豊彦施設長:
「何度か見えてますよ。絵も持ってきてくれたり」
男性が描いた絵にはこんなコメントが。
▼静岡県勧善会 藤原豊彦施設長:
「あなたのことは完全に任せなさいってコメントがありますよね。更生させるぜ!更生してっていうふうに書いてありますね」
▼静岡県勧善会 藤原豊彦施設長:
Q彼は変わりましたか?
「変わったと言えば変わっただろうし、変わってないって言えば変わってないのかもしれないけれども、でももう更生の方向には間違いなく進んでます」
8月までに18人が勧善会で暮らし、7人が出ていきました。再び罪を犯した人は、今のところいないということです。