難病と闘う日常を漫画で~自分にしかない不幸を武器に変えて

難病と闘う日常を漫画で表現し反響を呼んでいる動画があります。
制作したのは静岡県磐田市に住む25歳の男性漫画家。
作品に込めた思いに迫りました。

画像: 難病と闘う日常を漫画で~自分にしかない不幸を武器に変えて youtu.be

難病と闘う日常を漫画で~自分にしかない不幸を武器に変えて

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●YouTube動画(26秒)
「食事…乳製品×小麦製品×…というか食べられるもの青魚(塩ゆで)、海藻、納豆、みそ汁、麦飯、梅干しのみ。座る系×趣味×」

動画を制作した漫画家・寺田浩晃さん(25)。
「好酸球性胃腸炎」という難病を患っています。
食べ物でアレルギー反応が起こり、胃腸に炎症を引き起こす病気です。
また、動画では過去にいじめや虐待を受けたと表現していました。

寺田浩晃さん
「家庭が複雑でそこから抜け出したかった。やっと自由を手に入れられると思って、漫画でこれからだぞっていう時に今度病気かよって思いましたね。なんで自分ばっかなんだろうなと」

寺田さんは大阪芸術大学を卒業後、すぐに上京して漫画家に。
人気漫画雑誌「少年サンデー」にも読切り漫画を何度か掲載。
そして、念願の連載の話が来た矢先、病気が判明しました。

●YouTube動画(14秒)
「人生おわったと思いました。体重は40キロ台まで低下。慢性的な腹痛、血便、下痢…加えて様々な合併症それから症状はある程度落ち着いたものの、現在も目下奮闘中」
 
病気を患って1年ほどは、部屋に引きこもり、周りとも連絡を取らずに生活していました。
そんな寺田さんを救ったのはやはり漫画でした。
 
寺田浩晃さん
「自分にしかない不幸とか理不尽を雄一武器に変えられるのが僕は芸術だと思ってて、そこからは一気に開き直って、もう描くことに集中できました」
  
この日、寺田さんは来月開催する個展の準備を行うため磐田市内の会場を訪れていました。
 
寺田浩晃さん
「ちょっとでもいいと思ってもらえたらと思って展覧会をやろうと思いました」
 
作品を上映するモニターの具合、客席からの見え方、音の聞こえ方などを入念に確認します。
個展で上演する作品は「0」。
小学校のクラスで起きたカンニング事件をめぐって繰り広げられる
友情と成長の物語です。
 
寺田浩晃さん
「しんどいことばっかだけど、人生そんな悪くないかもなって思ってもらえたら嬉しいです」
 
動画を投稿し始めてから3ヵ月。
現在、寺田さんの動画にはたくさんのメッセージが寄せられています。
 
VO
「無理せずに頑張ってくださいね」
VO
「応援させていただきます!!」
 
寺田浩晃さん
「しんどいこと抱えて、苦しんでいる人に向けたものは自分にしか描けない。そんな人たちにこっち逃げ込んでおいでって、そんな場所が作りたいと思ってます」
 
YouTube動画(12秒)
「もし漫画が面白い、好きだと思っていただけたなら少しでも心が動いていただけたならどうか力を貸してはいただけませんか?」

寺田さんの個展「放浪漫画家展」は来月11日から23日まで磐田市の福田中央交流センターで開催されるということです。