「事故が忘れ去られていくことに不安と疑問が…」 中学1年生用水路転落死裁判で母親が訴え 静岡県は争う構え

静岡市清水区で、当時中学1年の男子生徒が排水路に転落し、死亡した事故。遺族が県に対し、慰謝料などの支払いを求めている裁判が開かれ、県は争う姿勢を示しました。

「事故が忘れ去られていくことに不安と疑問が…」 中学1年生用水路転落死裁判で母親が訴え 静岡県は争う構え

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 2018年6月、静岡市清水区で当時中学1年の朝日佳一朗さん(当時12)が排水路に転落し死亡した事故では、朝日さんの母親が県に対し慰謝料など1000万円の損害賠償を求める訴えを起こしています。

 30日、静岡地裁で開かれた裁判で、母親は「排水路は極めて危険で注意喚起の看板やバリケードが設置されていれば死亡事故が起こらなかった」とし、「このまま誰1人として何の責任も感じることのないまま、事故が忘れ去られていくことに大きな不安と疑問を感じる」と訴えました。

 一方で県は「排水路内へ侵入することを想定できるものではない」と請求の棄却を求め争う姿勢を示しました。

 この事故をめぐっては、県中部農林事務所の元所長ら6人が業務上過失致死の疑いで書類送検されましたが、検察は「事故の予見可能性が認められない」として不起訴処分としています。

 母親は「不起訴になった刑事手続きの中で明らかにならなかった事実を民事裁判で明らかにしたい」とコメントしています。

 次回の裁判は来年2月10日の予定です。