「涼」と「熱」の二刀流 静岡市「次郎」が贈る夏の一杯
目の前に現れた一杯から、想像以上の冷気が立ち上る。器に揺れるのは、「冷やしラーメン」。静岡市駿河区敷地の「中華そば次郎」の夏季限定の渾身作だ。魚介の出汁を利かせたシャープなスープに、キリッと冷水で締めた自家製麺。トッピングには炙ったチャーシューとメンマ。香ばしさが、涼しさに逆らわず、見事に調和する。さらには、ご飯におかかと練り梅をのせ、出汁をかけていただく“冷やし茶漬け”までセットに。しっかり食べたい派にも満足度は高い。

「ワンタンメン」も忘れがたい逸品。大ぶりのワンタンが5個も入った醤油ラーメンで、煮干し・サバ・豚のゲンコツ・鶏ガラで仕立てたWスープは、魚介の旨味がじんわり広がる。スープを注ぐ際、魚介の乾物を通すことで香りを添えるのも細やかな配慮だ。

数量限定の「背脂らーめん」も試してほしい。甘めのかえしが豚の背脂と意外にも好相性。見た目ほどのくどさはなく、あっさりとしたのど越し。箸を進める手を止めて途中で岩のりを添えることをお忘れなく。また違った食体験が待っている。

年中注文が途切れないのが「からし味噌らーめん」だ。赤味噌ベースのスープに、辛味噌を溶きながら好みの辛さに仕上げる。モチモチのウェーブ麺がスープにからみ、汗をかきながらもスープを飲み干したくなる中毒性。夏こそ食べたくなるという声にも頷ける。特筆すべきはそのチャーシュー。自家製の豚バラを使い、ふっくら柔らかく仕上げられている。

オープンから5年。子連れの家族から年配のお客さんまで着実にファンを増やしている。誰もがテーブルを囲むその風景も“次郎の味”の一部なのかもしれない。

中華そば 次郎
静岡市駿河区敷地1-28-10
TEL 050-8881-0260
営 11:00~14:30(L.O.14:00)/17:00~20:30(L.O.20:00)※スープがなくなり次第終了
休 月曜日の夜
Pあり