静岡市で味わう大阪の魂 ソースの香ばしさが広がる「やまたこ」のたこ焼き

 静岡市葵区本通。路地に漂う香ばしいソースの香りが食欲をくすぐる。店の名は「やまたこ」。7年前にオープンした、たこ焼きとお好み焼きの店だ。暖簾をくぐれば、関西弁まじりの笑い声と、鉄板の上で弾ける音。まるで大阪の下町に紛れ込んだような気分になる。
 看板メニューはもちろん「たこ焼き」。粉は卵を加えてふっくらと仕上げ、小麦粉の配合に工夫を重ねる。存在感のあるタコを入れ、紅しょうがやネギ、揚げ玉を加えたら、熱々の鉄板でじっくりと焼き上げる。外はカリッと、中はとろり。タコのだしがじゅわっと広がる瞬間、思わず笑みがこぼれる。
 仕上げに塗るのは、大阪から取り寄せた特製ソース。ブレンドされた甘辛い香りが鼻をくすぐり、マヨネーズとカツオ節を重ねれば、完成された“関西の味”が目の前に現れる。チーズをトッピングした「チーズ味」も人気で、コクとまろやかさが加わり、箸が止まらなくなる。

たこ焼 ソース(600円)
たこ焼 ソース(600円)

たこ焼 チーズ(700円)
たこ焼 チーズ(700円)

 一方で、「和風だしのたこ焼き」も見逃せない。カツオと昆布で取っただしにつけて食べると、ソース味とはまったく違う上品な旨味が立ち上がる。ふわりとした食感とだしの香りが相まって、関西の“だしたこ”を思わせる一皿だ。

たこ焼 和風だし(600円)
たこ焼 和風だし(600円)

 もう一つの柱はお好み焼き。豚玉はもちろん、牛すじ煮込みを混ぜたモダン焼きまで揃う。生地はだし汁と山芋でといた粉にキャベツや紅しょうがを混ぜ込む「混ぜ込み」スタイル。スプーンで長く混ぜることで空気を含ませ、焼き上げれば中はふんわり、外はカリッと香ばしい。押さえずに焼くのが“ふわとろ”の秘訣だ。
 表面には大阪仕込みのブレンドソースとマヨネーズ、カツオ節。甘辛い香りが食欲を刺激する。モダン焼きは焼きそばをのせ、焦げ目がつくまでしっかり焼く。パリパリの麺とふんわり生地の対比が楽しい。

豚玉(900円)
豚玉(900円)

ねぎすじ玉モダン焼き(1250円)
ねぎすじ玉モダン焼き(1250円)

 昼も夜も、鉄板の音が絶えない。ここは、静岡にいながら大阪の風が吹く場所だ。

静岡市で味わう大阪の魂 ソースの香ばしさが広がる「やまたこ」のたこ焼き

やまたこ
静岡市葵区本通1-3-6
電話番号:054-255-7495
定休日: 月・火曜日
営業時間:11:00-14:00
17:00-20:00
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