旅人が見つけた本場、沖縄の味 浜松市「沖縄スコップ食堂」

 浜松市中央区高丘西に、「沖縄スコップ食堂」がある。19年前の開店以来、地元客に南国の風を届けてきた沖縄料理居酒屋だ。店を切り盛りするのは、“スコップ”の愛称で親しまれる三上英信さん。若き日、寝袋を積んで日本各地を旅する途中、たどり着いた沖縄に心を奪われ、4年半も滞在。その間に覚えた本場の味を、浜松で再現している。
 看板料理のひとつ「フーチャンプルー」は、沖縄の車麩を卵に浸し、豆腐やポークランチョンミート、野菜とともに炒めた一皿。干しシイタケ、昆布、カツオで取る濃いめのだしが全体を包み、お麩のもっちりとした食感と野菜のシャキシャキ感が心地よい。ゴーヤチャンプルーとはまた違うやさしい旨味が、常連を虜にしている。

フーチャンプルー(858円)
フーチャンプルー(858円)

 もう一つの名物「ラフテー」は、豚バラ肉をカツオと昆布、干しシイタケ、長ネギ、ショウガ、リンゴなどで5日間かけて煮込む手間のかかった逸品。味の決め手は泡盛。圧力鍋を使わず、ひたすらアクを取り除く地道な作業で仕上げる。箸を入れるだけでほろりと崩れ、口に含めば旨味が広がる。

ラフテー(858円)
ラフテー(858円)

 「沖縄そば」はカツオと豚の合わせだし。見た目はラーメンとうどんの中間のような中太麺で、トッピングには味付け三枚肉とかまぼこが乗る。透明感のあるスープはあっさりしながらもコク深く、何度でも食べたくなるやさしい味わいだ。

沖縄そば(935円)
沖縄そば(935円)

 締めには「タコライス」を。チリパウダーでスパイシーに味付けしたひき肉、トマトソース、レタスが織りなす旨辛のハーモニー。ご飯と混ぜれば、口いっぱいに南国の香りが広がる。

タコライス(935円)
タコライス(935円)

 さらに「トウフヨウ」などの珍味も人気。紅麹と泡盛で熟成させた島豆腐の深い旨味は、泡盛やオリオンビールとの相性も抜群だ。

トウフヨウ(638円)
トウフヨウ(638円)

 一皿一皿に、旅の記憶と沖縄の空気を閉じ込めて。遠く離れた浜松で、島の味と時間がゆるやかに流れている。

旅人が見つけた本場、沖縄の味 浜松市「沖縄スコップ食堂」

沖縄スコップ食堂
浜松市中央区高丘西3-8-5
電話番号:053-439-1199
定休日:月~水曜日
営業時間:木~日曜日営業
17:00-24:00
Pあり