音と香り、そして熱々-鉄板が生み出すエンターテインメント 沼津市「はがし」
沼津駅南口から徒歩6分。外堀通り沿いに立つ「もんじゃ焼き・鉄板焼き はがし」は、鉄板を囲んで賑わう客たちの笑い声が絶えない。昭和レトロな空間に漂う香ばしい匂いが、食欲を刺激する。静岡県内でも珍しいもんじゃ焼きと鉄板焼きの専門店だ。
看板メニューは、誰もが注文するという「明太もちもんじゃ」。鉄板の上で明太子ひと腹と角切りの餅十二個を焼き、香ばしい香りが立ったところでキャベツと具材をのせ、リズミカルに刻む。土手を作ってだしを流し込み、混ぜては焼き、また混ぜる。その工程を何度か繰り返すうち、キャベツの甘みと明太子の塩気、餅のもちもち感が一体となり、鉄板の上に“とろけるごちそう”が現れる。
もう一つの人気が「ネギ塩豚レモンもんじゃ」。塩味のもんじゃを作りたいという発想から生まれた一皿だ。豚肉を炒め、塩だれ味のだしを合わせた上に刻みネギをたっぷり散らす。仕上げにレモンを搾ると、湯気の中から爽やかな酸味が立ちのぼる。豚肉の旨みとネギの香り、レモンの軽やかな酸味が重なり、後味は驚くほどさっぱり。
鉄板の魅力は、もんじゃだけではない。広島県産の牡蠣を使った「牡蠣お好み焼き」は、焼き色のついた大ぶりの牡蠣が8個も乗る贅沢な一枚。ふっくらとした身に、ソースとマヨネーズ、青のりの香ばしい風味が絡み合う。カキの旨みが口いっぱいに広がり、鉄板ならではの香ばしさが後を引く。
東京月島風の「海鮮ガーリックライス」も人気だ。ガーリックバターの香りをまとった鉄板に海鮮をのせ、火が通ったところでライスを合わせる。焦がし醤油の香りとバターのコク、海鮮の旨味が渾然一体となり、思わずスプーンが止まらない。
卓上サーバーで注ぐサワー片手に、家族や仲間と鉄板を囲む時間。食材が焼ける音、香ばしい匂い、そして熱々を頬張る瞬間の幸福。地方の味を静岡で味わえる「はがし」は、まさに鉄板が生み出すエンターテインメントの場だ。
もんじゃ焼き・鉄板焼き はがし
沼津市大手町2-3-2
電話番号:055-900-8661
定休日:無休
営業時間:16:00〜23:00(L.O. 22:00)
金・土 16:00〜24:00(L.O. 23:00)
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