赤は飾りじゃない。四川は理屈でうまい 浜松市「若林」
皿の色に気圧される。だが一口で理解する。これは勢い任せの辛さではない。計算された熱だ。浜松市中央区若林町の「中華 若林(ルーリン)」は、四川料理を軸に据える一軒。厨房を預かる寺田隆志さんは、福島の四川料理店で修業を積んだ。
看板は四川麻婆豆腐。味の核は熟成させた2種類の豆板醤だ。調味料を徹底して炒め、香りとコクを引き出してから中華スープを注ぐ。木綿豆腐を合わせ、トウチー、ニンニク、地元産の葉ニンニクを重ねる。仕上げにラー油と山椒。舌にまず辛味、次いで痺れ。しかし後から押し寄せるのは旨みだ。白飯にかければ角が取れ、豆板醤の深さが前に出る。
さらに辛さを求めるなら、四川名物ラーズージー。鶏肉と大量の唐辛子を炒め、辣椒醤を加える。皿を埋める赤は壮観だが、唐辛子の奥から鶏肉の甘みが立ち上がる。食べ進めるうちに単調さは消え、香ばしさが残る。
回鍋肉は四川式だからキャベツは使わない。葉ニンニク、タマネギ、ピーマン。ピー県豆板醤と甜麺醤を軸にした味噌ダレが豚肉に絡む。濃厚だが、香りが抜ける。
火鍋を応用した麺料理も外せない。唐辛子と山椒、複数の香辛料を溶け込ませたスープに、豚肉や野菜、麺が絡む。汗がにじむが、箸は止まらない。
「いつ来ても同じ味を出すことが一番」(店主・寺田さん)。その言葉通り、辛さは暴れない。制御され、積み上げられている。浜松で四川を食べるなら、ここは本気だ。
中華 若林
浜松市中央区若林町2819-3
電話番号:053-456-0101
定休日:月曜日、第3日曜日
※不定休あり
営業時間:11:30-ごはんがなくなり次第終了
17:30-22:00 L.O.21:00
Pあり