肉と麺、振り幅の中にある一貫した芯 富士市「DEN」
肉で引き込むか、麺で惹きつけるか。どちらかに寄せる店が多い中で、その両方を並べて見せるのがこの店の特徴だ。富士市吉原、吉原本町通りから少し入った場所に2026年1月オープンした「食事処 ダイニングキッチン DEN」。黒を基調とした店内で、多彩なメニューが展開されている。
まず目を引くのが「あしたか牛の炙り肉寿司」。ロースを薄くスライスし、寿司に合う食感を意識してカット。提供時に目の前で炙ることで、表面に香ばしさをつける。火が入った瞬間に脂がゆるみ、口に運ぶと旨みとともに広がる。シンプルに味わうだけでなく、
ご飯ものでは「あしたか牛ステーキのガーリックライス」。ニンニクオイルを作ってから米を炒め、クレソンやブラックペッパー、ソースを加える。別で焼いたステーキはレアに仕上げ、フランベでウイスキーの香りをまとわせる。そのカット肉をのせ、中央に卵黄を落とす構成。混ぜることで、ニンニクの香りと肉の旨み、卵のまろやかさが一体になる。
肉料理でもう一品、「ローストビーフ丼」は低温調理したもも肉を使う。しっとりとやわらかい食感で、ニンニクを効かせたオリジナルソースと合わせると、噛むほどに味が出る。
一方で麺料理は方向が変わる。「イカの塩辛焼きそば」は、肉かすを炒めてからキャベツを入れ、麺を蒸し、オリジナルソースでまとめる。仕上げにイカの塩辛を余熱で火を通すのがポイントで、加熱しすぎず風味を残す。塩辛の甘みとソースが絡み、酒に合わせやすい味になる。
「元祖 海老まぜそば」は、肉かすの油でエビを炒めて香りを引き出すところから始まる。そこに麺を合わせ、豚骨醤油ベースのソースでまとめる。ホウレンソウや紅ショウガ、ニンニク、卵黄を加え、全体を混ぜることで味が一つにまとまる。食べ終えた後は、残ったソースにご飯を入れて締める楽しみも用意されている。
肉の扱いと麺の組み立て。そのどちらにも手を抜かず並べているからこそ、選び方で食事の流れが変わる。気分に合わせて軸を決めるか、あえて外すか。ここではその選択自体が楽しみになる。
食事処 ダイニングキッチン DEN
富士市吉原3-6-20 清水ビル1階
電話番号:090-8138-9423
定休日:日・月曜日
営業時間:19:00〜 金・土曜日18:00〜
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