松茸香る秋のコース、豆腐店の技も一席に 浜松市「割烹 桂川」

 刺身、揚げ物、蒸し物、焼き物と進み、最後はご飯ものとデザートへ。浜松市にあり、遠州鉄道・上島駅の目の前に店を構える「割烹 桂川」で、店の持ち味を存分に楽しうなら、コース料理を選びたい。秋には松茸の土瓶蒸しも加わり、季節の食材を少しずつ味わえる。
 創業35年。もともと豆腐店から始まった店だけに、湯葉や練り豆腐を使った料理には独自の工夫が光る。鮮魚や秋の味覚に、豆腐店で培った仕事を交えられるのが桂川ならでは。団体の宴会にも対応し、地元客を中心に親しまれてきた。

梅コース(1人5000円)※要予約
梅コース(1人5000円)※要予約

 秋のコースで楽しみなのが、松茸の土瓶蒸し。店では、この時季になるとすべてのコースへ付けるという。まずは蓋を開け、立ち上る香りを楽しむ。続いてだしを味わい、最後に具を食べるのがおすすめの順番だ。松茸を噛めば、だしを含んだ旨みがゆっくりと染み出す。ひとつの土瓶を香り、汁、具と順にたどりながら、秋の深まりを確かめられる。

秋の香りを楽しむにはもってこいの松茸土瓶蒸し
秋の香りを楽しむにはもってこいの松茸土瓶蒸し

 松茸以外にも、コースにはマグロなどの刺身4点盛り、季節のハモの天ぷら、銀だらの西京焼きなどが登場する。銀だらは、西京みそに酒とみりんを合わせ、必要以上に手を加えず仕上げる。脂ののった身は時間がたってもやわらかく、芳醇なみその風味がなじむ。寒さへ向かう頃には、上品な味の「ゆばしゃぶ」も味わえる。

評判の銀だら西京焼き
評判の銀だら西京焼き

 豆腐店としての歩みを物語る名物が「湯葉フライ」。自家製豆腐をプレス機で押し、水分をしっかり抜いてから、長芋や卵などを混ぜて練り豆腐を作る。有頭エビへ巻き付け、京都から仕入れる刻み湯葉をまぶして揚げれば、見た目はエビフライさながらだ。パン粉は使わず、衣を担うのは乾燥湯葉。外側はサクサク、練り豆腐はしっとりし、中心のエビにはプリッとした弾力が残る。異なる3つの食感が重なる、桂川ならではの一品だ。

見た目はエビフライだがパン粉は使っていない
見た目はエビフライだがパン粉は使っていない

 コースのご飯ものには「うなぎの寿司」を用意する。以前はうな重を出していたが、調理にかかる手間や時間を考え、店主が別の食べ方を考案した。うなぎを薄く切って炙り、軽くしょうゆで味を付けて酢飯へ。脂のあるうなぎを寿司にすることで、コースの終盤でもさっぱりと味わえる。高級食材を少しでも手頃に提供しようと、市場の業者と交渉しながら仕入れるのも店主の信条だ。

コースのうなぎ寿司
コースのうなぎ寿司

 豆腐店として培った技を残しながら、鮮魚や季節の食材を取り入れ、割烹として35年。昔からの名物を守るだけでなく、うなぎを寿司に仕立てるなど、コース全体を心地よく味わえる工夫も重ねてきた。上島駅の目の前という気軽さで、松茸の香りから食後の甘味まで、ゆっくり腰を据えて楽しみたい。

松茸香る秋のコース、豆腐店の技も一席に 浜松市「割烹 桂川」

割烹 桂川
住所:浜松市中央区上島2-24-21
電話番号:053-475-5266
定休日:日曜日、不定休
営業時間:17:30-23:00 / フード (L.O.22:00) / ドリンク (L.O.22:30)
Pあり