救急現場はいま 緊急性ない要請は控えて…受け入れ先見つからないケース急増 新型コロナ第8波に加えインフル流行で件数倍増

 感染が拡大する中、救急患者の受け入れ先が見つからない「救急搬送困難事案」が静岡県内でも増加しています。最前線を取材しました。

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救急現場はいま 緊急性ない要請は控えて…受け入れ先見つからないケース急増 新型コロナ第8波に加えインフル流行で件数倍増

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「救急搬送困難事案」は週に100件以上

画像1: 「救急搬送困難事案」は週に100件以上

 通報を受け、日夜、出動する救急隊員。しかし、新型コロナの感染拡大で、救急患者の受け入れ先が見つからない事例が増加しています。

静岡県 川勝平太知事(13日):「現在、急病あるいは事故で救急車を要請しても、すぐには病院で診てもらえないケースがなんと週に100件以上発生している。大変な状況、文字通り危機的な状況」

画像2: 「救急搬送困難事案」は週に100件以上

 先週の会見でこう述べた川勝知事。

 消防庁よると、県内の「救急搬送困難事案」は、去年12月ごろから右肩上がり。1月9日から15日までの一週間と、去年の同じ時期とを比較すると、静岡市消防局管内では2.2倍、浜松市消防局管内ではおよそ5倍となっています。

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受け入れ先見つからず3時間待たされたケースも

 このような状況について、静岡市消防局・駿河救急隊の長田副隊長は。

静岡市消防局駿河救急隊 長田彩華副隊長:「救急車は、(患者を乗せた後)行く病院があらかじめ決まっているわけではなくて、傷病者の容体を観察した結果で、救急隊が病院交渉を行って、なるべくは本人の希望に沿った病院交渉ができるように尽力しているが、どの病院もベッド満床であったり、受け入れ制限等がかかっていて対応できない場合も多々ある」

 長田さんが所属する駿河救急隊が、通報を受けて出動するのは1日に平均して8回。そのうち1回から2回は、すぐには受け入れ先が見つからないこともあり、中には、3時間ほど待たされたケースもあったそうです。

画像: 受け入れ先見つからず3時間待たされたケースも

静岡市消防局駿河救急隊 長田彩華副隊長:「傷病者にストレスを与えてしまうことが一番私たちは苦しいというか、救急車が来たら病院に連れて行ってもらえるというのが皆さまのイメージだと思うので、現場で何時間も滞在させてしまうというのは、場合によっては容体が悪化してしまう場合もあるので。コロナがこれだけ爆発しているので、救急医療がひっ迫している、これが要因ではないかと思う」

消防指令センターでも対応件数が倍増

画像: 消防指令センターでも対応件数が倍増

 対応に追われている現場は他にも。

消防指令センター(静岡市消防局)
「(着信音)はい119番消防です。火事ですか、救急ですか?」

 静岡市や島田市など5つの市や町 全ての119番通報に対応している静岡市消防局の消防指令センター。

「新情報送る。11歳の女児、現在意識あり、呼吸苦ならびに発熱による救急要請。現在37度6分、昨日からの発症。なお昨日開業医を受診し、インフルエンザ陽性が出ているとのこと、コロナは陰性」

 去年の夏ごろまでは1日100件ほどだった対応件数は、現在200件以上と倍増しています。増加の原因の一つが、インフルエンザの流行。そしてもう一つが、新型コロナの第8波です。

静岡市消防局指令課 川本拓弥消防士長:「現時点では第7波の時のように、救急車が足りなくなったという状況は発生していない。常にいつ足りなくなってもおかしくない状況ではある。救急要請が増加しているので、緊急性のない不要不急の救急車の要請は控えていただき、新型コロナウイルスが疑われ、どうしたらいいか迷った時には、静岡市においては保健所やなんでも相談ダイヤルにお問い合わせください」