静岡市に赴任の元成田空港検疫所長が語る日本の水際対策…「オミクロン、いつかは突破される」

オミクロン株について話を伺ったのは静岡市保健所の田中一成所長です。10月に静岡に赴任するまでのおよそ2年間、成田空港の検疫所長を務めていました。

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水際対策に精通したプロフェッショナルはオミクロン株をめぐる現在の日本の対応を、どのように見ているのでしょうか。

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静岡市保健所 田中一成所長:
「現状、日本が行っている対策というのは国際的にみても非常に厳しい対応をしていると考えている。ただ、検査に100%はたとえ PCRを使ってもないし、いつまでも持ちこたえられるものではないというのは、これはもう精度の限界というよりは科学の限界としてあるので、いつかは突破されてしまうということは覚悟しておかなければならないと考えている」

水際対策を強化するために抗原定量検査ではなく、PCR検査を行うべきとの一部指摘について、田中所長は誤解があると説明します。

静岡市保健所 田中一成所長:
「(抗原)定量検査だけでは確かにPCRよりは感度が劣るが、空港の検査ではPCRも併用しています。ある値よりも小さい値が出た時は必ずPCR検査で再検査をして診断を確定するということをやっているので。ある意味PCR検査と抗原定量検査の良いとこ取りをした検査を空港で行っていると理解してほしい」

それでも検疫ではウイルスが流入する可能性をゼロにはできないといいます。主な要因は感染した時期と、検査をする時期のタイミングです。

静岡市保健所 田中一成所長:
「やはりすり抜けをどうやって防ぐのかということが最大の課題になっていて、検査をしても100%感染者が見つけられない原因は感染の初期にごくごくウイルスが少ない状況、これはどんな検査をしても起こるが、ウインドウ期と呼んでいる。この存在がある以上100%はない」
「なのでまずは確実に1回目2回目のワクチン、また現在3回目の追加ワクチンの接種を準備しているが、希望するワクチンが供給されるまで待つことの方が、デメリットが大きいと考えているので、打てる時に打てるものを打っていただきたい」