「しずおか元気旅」再開直前の観光地…メインターゲットは県民 旅館の電話は鳴りっぱなし レストランは団体予約次々と 静岡・伊豆の国市 伊豆長岡温泉
女性スタッフ:「お電話ありがとうございます。おおとり荘でございます」
旅館の電話は鳴りっぱなし
静岡県伊豆の国市、伊豆長岡温泉の旅館「おおとり荘」。取材した3月29日、受付の電話は鳴りっぱなしでした。
おおとり荘 野田倫正営業係長(電話での応対):「県民宿泊割引5000円+地域クーポン2000円。静岡県の県民割、元気旅の宿泊券ですね」
静岡県による県内観光促進事業「今こそ!しずおか!! 元気旅!!!」。県民が県内で宿泊、または日帰り旅行した場合、代金が最大5000円割引され、さらに2000円分のクーポンももらえるというものです。
この事業は、おととしと去年の一時期行われていましたが、感染拡大のため休止していて、ようやく、4月1日から再開されることになりました。
おおとり荘 野田倫正営業係長:「3月25日の金曜日は、その県民割の予約受付開始日だったんですけど、朝の8時前から電話が鳴りはじめまして、もうそこからひっきりなしに鳴って、休む間がないくらい電話が鳴りました」
温泉まんじゅうの老舗は
伊豆の国市の伊豆長岡温泉。幅広い年代に人気の温泉地ですが、コロナの打撃を大きく受けました。
柳月 渡辺紳太郎社長:「この温泉まんじゅうですね。皮がふわふわです。おいしいですよ」
大正5年(1916年)創業の「柳月」。内閣総理大臣賞を受賞した「温泉まんじゅう」が人気の老舗ですが、コロナ禍では…。
柳月 渡辺紳太郎社長:「コロナ前だと1日に1万個ぐらい作ったりするので、今平均ですと、5000~6000くらいかな」
売り上げも、コロナ前と比べて3割~4割ほど減りました。そんな中、あす再開される「しずおか元気旅」には地域で使うことができる、2000円分のクーポンがあり、それが巻き返しへの起爆剤になると考えています。
柳月 渡辺紳太郎社長:「元気旅が始まってくれると、少しでもお客さんが戻ってきてくれて、あのクーポン券、ぜひ家で使っていただきたいなと思います。とても期待してます」
レストランは「団体の予約がどんどん入る」
伊豆長岡温泉にあるイタリアンレストラン「ポモドーロ」。地元の人や観光客に人気のお店です。さらにまん延防止措置が解除されたことで、客足は増したといいます。
ポモドーロ 村越英明代表:「まん延防止終わって、すぐ団体の予約とかは、どんどん入ってますので、何とか常連さん、いろいろなお客さんに助けられて、コロナ前ほどではないですけど」
おととしや去年の「しずおか元気旅」の期間は、こちらのお店でクーポンを利用する客が多くいたといいます。1日からの再開に向けては…。
ポモドーロ 村越英明代表:「ここ伊豆長岡温泉で、近くの旅館がいっぱいありますので、そこに素泊まりで、うちでご飯を食べるというお客さんがたくさんいらっしゃいましたので、今回もそのような動きを期待して、より一層頑張っていきたいと思います」
旅館…休館した2週間で換気システムの工事
伊豆長岡温泉の旅館「おおとり荘」。「しずおか元気旅」の再開を見据え、原支配人が向かった先は…
おおとり荘 原勝政支配人:「こちらがあの、静岡県民に向けた料理を今開発中というか、もうすぐなんですけど、それをみんなで決めるという形で、今からやっていこうというふうに思っています」
「おおとり荘」では、あすからの「しずおか元気旅」再開に合わせ、客の負担額が1万円以下となる宿泊プランを作りました。伊勢海老かステーキを選ぶことができるコース。この日は、そこで提供される料理の最終調整をしていました。
料理長:菜の花とアサリとか、こんな感じに。
支配人:うん、ちょっと。これは時間経ったらね、どうなのかなぁと、まだグリンピースの方がいいのかなとか思うな。
料理について…
支配人:エビが入ってたほうがいい?
女性スタッフ:そうですね、彩りもいいし。
支配人:今、エビ高くなってるからね。
女性スタッフ:そうですよね。
料理長:材料が業者さんから値上げ値上げの話がバンバン来るので。
支配人:その辺はね、ちょっと振り切ろう、しょうがない。
1日から「しずおか元気旅」が再開されることで、メインターゲットを静岡県民とした「おおとり荘」。そこで、静岡の食材を多めに使うなどして、県民に受け入れられるメニューを意識しました。
おおとり荘 原勝政支配人:「県民のお客さんが、4月中では9割近くのお客さんが来てくれる(静岡県民で占める)と思ってますので、後は主婦の方が毎日ね、多分ご家庭でいろんなものを作っていると思うので、主婦の方に喜んでいただこうと思って」
「おおとり荘」は、今年の1月から2月にかけて、ほとんど予約が入らず、月の半分ほど、休館を余儀なくされました。
「コロナの流行が始まって以来、最悪の状況だった」と話す支配人。ただ、その休館期間を利用して、次の一手を打ちました。
おおとり荘 原勝政支配人:「こちらが、空調を変えました。外の外気を入れて、ずっと空気が循環するような形です。こういう脱衣場で、着替えたりして、近くになる場合がある。どうしてもマスク外すので、一番、館内では気をつけるところかなと思っています」
およそ1500万円の費用をかけて、休館している2週間を、換気システムの工事にあてました。浴室の他に、部屋のエアコンも順次、除菌ができる最新式のものに替えています。
さらに、平日は、2500円割引と500円のクーポンを付ける「しずおか元気旅」と併用できる宿独自のプランも打ち出しました。4月からゴールデンウイークにかけても、まだ予約に余裕があり、県民客の取り込みに全力を注いでいます。
おおとり荘 原勝政支配人:「こういう割引制度がなかったら、まずなかなか動かないと思うので、割引制度があるから動くという流れになっていると思うので、非常にありがたいと思っています。特にこの1年2年、どこにも行っていないですよという方を、少しでも腰を軽くしていこうというのが狙いで、先行先行で企画したり、来ていただけるような商品を用意して、少し攻撃していこうというふうに思っています」
(3月31日放送)