静岡県「感染者の大幅減はしばらく期待できない」…1人が約1人に感染をさせる状況変わっていない 最も多いのは10歳未満の子ども

 緩やかな減少傾向が続く静岡県内の感染状況。1人が何人に感染させるかを表す実効再生産数も横ばいとなっています。

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静岡県健康福祉部 後藤幹生参事:「1月30日ぐらいから1前後になって、ずっと1前後で0.91から1.07。1人が約1人に感染をさせているという状況がほぼ変わっておりません。ですので、感染者の大幅な減少はしばらく期待できないということになります」

感染者で最も多いのは10歳未満

画像: 感染者で最も多いのは10歳未満

 一方で、感染者の内訳をみると少しずつ変化が表れ始めています。

静岡県健康福祉部 後藤幹生参事:「感染者の年代は10歳未満の方が最も多い21%で、先週から2ポイント増えていて151人増えています。70歳以上の方が先週より2ポイント下がって比率は8%、人数も189人減少しており、高齢の感染者が減っていることがわかると思います」

「おそらくこれは高齢者の方の3回目接種が進んだことによるものと考えています。このグラフは新しいグラフですが、緑色が1週間の70歳以上、その日を含んだ過去1週間の70歳以上の全県の感染者数、青い折れ線グラフがその日の高齢者の方の3回目の接種率となります。30%を超えた辺りから高齢者の感染者数がピークアウトしてきて、減ってきているというのが分かると思います。今後も順調に高齢の感染者が減れば重症になる方も減ると思いますので、ワクチンの効果で。そうすると、入院されている方の人数も減ってくることが期待できると思います」

 県全体の3回目ワクチン接種率は3日時点で21.6%。政令市では静岡市で16%、浜松市で26.2%となっています。  県内の病床使用率は6日時点で47.9%。確保病床における入院患者は286人と、第6波でピークとなった先月20日時点の445人から大幅に減少しています。

 ただ、以前に比べて死亡率は低下しているものの、年明けからの感染拡大によって、県内でも新型コロナ患者の死亡が相次いでいます。

死亡27人中23人は「基礎疾患があった」

画像: 死亡27人中23人は「基礎疾患があった」

 こうした中、県が新たなデータを公表しました。直近1週間で亡くなった27人のコロナ患者について基礎疾患の有無を調べたところ、23人に何らかの基礎疾患があったということです。

静岡県健康福祉部 後藤幹生参事:「最も多い基礎疾患の種類は高血圧を含む心血管疾患で、約50%の方がお持ちになっていた。次いで多いのは糖尿病と悪性腫瘍で、約20%の方がお持ちになっていた。その次、3番目は喫煙をされていた方と慢性腎臓病を持っていた方が15%ずつと、そういった状況でございました。全感染者中の死亡者の率は0.2%程度、1日あたりの死亡報告人数は2人少しという状況になっており、少しずつ増えてきている印象がございます」

 対象となった27人はほとんどが高齢者で、県は「基礎疾患を持っている高齢者は、症状が悪化する恐れがある」としています。

「初めてBA.2が明らかに増えてきた」

画像1: 「初めてBA.2が明らかに増えてきた」

BA.2の割合が増えてきた

 さらに、オミクロン株の亜種「BA.2」をめぐっても気がかりな傾向が―

静岡県健康福祉部 後藤幹生参事:「ゲノム解析によるBA.1とBA.2の割合の推移ですが、直近の1週間で154人をゲノム解析でオミクロン株の種類を調べたところ、BA.2のポイントが初めて明らかに増えてきた感じがあって7.8%ということで増えているかもしれない。5%から20%にまで増えるのに2~3週間、20%ぐらいから80%に増えるのに、4~5週間というデータがデンマークだったか、イギリスでありましたので、今後その通りで増えてくると6~8週間ぐらいでBA.2が置き換わるという可能性があると思います」

 県内ではこれまでに33人が「BA.2」に感染したことが確認されています。

画像2: 「初めてBA.2が明らかに増えてきた」

 今後、「BA.2」への置き換わりは進んでいくのでしょうか。県専門家会議の委員で、浜松医療センターの矢野邦夫医師は―

静岡県専門家会議委員 浜松医療センター 矢野邦夫医師:「BA.2にそのまま置き換わるかどうか、ちょっと疑問がありますね。分からないですね。例えばBA.2の割合が増えていっても、国全体の感染者数が減っている国もありますので、BA.2の割合が増えたから必ず感染者が絶対増えるとは言い切れないと思います」