住宅30軒の100m先に「違法盛り土」…住民「非常に脅威」「とても不安」 静岡県内の違法盛り土196カ所  静岡・函南町

 静岡県が調査したところ、県内には196カ所もの違法な盛り土が確認されているということです。その内の一つである、函南町ではー。
白鳥衛記者(2月21日):「函南町丹那地区です。こちらの住宅街からおよそ100m先の山、上のあの辺りに違法な盛り土が造成されました」

住宅の100m先に「違法盛り土」 住民「非常に脅威」「とても不安」

 2月20日、町長の許可を得ず、函南町丹那地区に盛り土を造成した疑いで、清水町の会社社長(53)と沼津市の土砂運搬業代表(47)ら3人が逮捕されました。容疑者らは、函南町丹那の3カ所に盛り土を造成。県内外の10社ほどの業者から20トンのダンプカーで1台当たり1万5000円から2万円で土砂を受け入れ、少なくとも1500万円の利益を得ていたとみられています。

画像: 住宅の100m先に「違法盛り土」 住民「非常に脅威」「とても不安」

 この盛り土から直線距離で100mのところには、30軒ほどの住宅が立ち並んでいます。

 盛り土の近くの住民は…。

70代男性:「この辺の土地のことをあまり知らない人たちが、いきなり自分たちの都合で土砂を持ってこられるっていうにはとても不安なんだよね。いつ、下の岩盤の固いところの上に盛られたやつが流れ出すかわからない。住む場所を変えるってわけにもいかないので、なんとか早い段階で取り除いてもらえたらありがたいと思っている」

60代男性:「斜面の下に住む住民としては非常に脅威を感じている。施工業者が逮捕されても原状が戻るわけではありませんので、我々としては早急に土砂を撤去、元の状態に戻してもらうっていうのが目的というか最終目的ですので、そうしていただきたい。とにかく普通の平穏の暮らしがしたいですね」

町長「逮捕されても解決につながっていない」

 今回、容疑者らの逮捕を受け、函南町長は…。

画像1: 町長「逮捕されても解決につながっていない」

静岡・函南町 仁科喜世志町長(21日):「逮捕されたからといって何ら解決につながっているわけではなくて、やはり現場の原状回復を一番願っております。そのことが町民の安心安全な生活を送ることに直結を致しますので、そこを第一優先にしていきたいと思います。(土砂の)搬出についても搬出先の話とか、あるいは土質もものによっても一概に片付けるという作業にはいかないと思いますので、その辺は県との協議をしながらですね、進めていきたいというふうに考えています。」

画像2: 町長「逮捕されても解決につながっていない」

 函南町内ではこの他、平井地区でも無許可で造成された盛り土が確認されています。この盛り土を巡って県は、再三、造成した男性に原状回復するよう指導していましたが、期限までに改善計画書が提出されなかったため、2月21日に、男性の会社に対し、土砂の撤去を求める措置命令を出しました。措置命令の発出は、熱海市伊豆山地区に造成された盛り土の前の土地所有者に次いで、2例目です。

   (2月28日放送)