無人販売店の万引き被害対策 後絶たぬ盗難被害にポイントは防犯カメラ
静岡県内でも見かけるようになった無人販売の店舗。ただ、無人だからか商品を盗まれる被害が後を絶ちません。ポイントは防犯カメラ、その対策を取材しました。
こちらは今年5月静岡市内で撮影された防犯カメラの映像です。
午前10時前、餃子の無人販売所に高齢の男性が入店。
お金を料金箱へ入れた後、餃子1パック(500円)を袋に入れ、店を出ていきます。
男性と入れ替わるように従業員が店内へ。
急いで料金箱の中の料金を確認します。
ところが確認してみると、料金箱には100円しか入っておらず、車で立ち去る男性を従業員が追いかける事態に。
その後、高齢男性は従業員に確保されました。
被害に遭った餃子店によりますと、この高齢男性は毎回同様の手口で、500円の料金に対して100円しか入れず、餃子を持ち帰っていたといいます。
これまでに、こうした行為を8回~9回ほど繰り返していて被害額はおよそ4000円。
店は警察を呼びましたが、これまでの分を全て弁償したため、被害届は出さなかったということです。
高齢男性は次のように話していたといいます。
「一度100円で買えてしまったから、くせになりやってしまった。
バレないと思った」
この餃子店では、静岡県内に6店舗「無人販売所」を設置しています。
去年8月にも、別の人物に餃子19パックを盗まれ、およそ1万円の被害を受けています。
好きな時間に、手軽に購入することができる無人販売店。
窃盗被害に、餃子店のオーナーは・・・
餃子研究所 藤嶋慎太郎 代表:
「憤りは多い。ちゃんと良心的にしっかり支払いしている客がほとんどなので、そういった方がいる中で、そういうようなこと(窃盗)をしていくというのは、許せない。」
無人販売所には防犯カメラが数多く設置されていること。
そして悪質行為は映像として保存されていることを改めて理解してほしいといいます。
餃子研究所 藤嶋慎太郎 代表
「警察とかに(防犯カメラ映像を)提出した時に、こういったところを映してほしいとか、そういったところを犯行が起きるたびに、警察と相談しながら、もっとこういう風になっていると犯人が捕まりやすいとか、日々改善して今に至っている。」
こうした無人販売店での盗難被害は、後を絶ちません。
静岡・葵区 5月28日
今年5月、静岡市葵区にある無人型の古着店で男と店に来ていた女がTシャツなど5点、およそ2万円相当を持ち去る姿が防犯カメラに映っていました。
店は警察に被害届を提出。
警察が商品を盗んだとみられる16歳の少女から事情を聴いたところ、少女は犯行を認めたということです。
浜松・中区 8月1日
さらに8月には、浜松市中区にある肉の無人販売所で、冷凍食品64点、販売価格にしておよそ5万6000円が盗難被害に。
犯行の一部始終が捉えられた映像が公開されるなどした結果、今月6日、浜松中央署に30歳の無職の男が出頭し、逮捕されています。
能地 優アナウンサー
「こちらの店では盗難被害の後、防犯カメラを3台増やしたということなんです。その中でもこちらただ増やすだけではなく、設置の角度を変えることで盗難の抑止につなげています。」
盗難被害にあった肉の無人販売所「おウチdeお肉 浜松高林店」。
容疑者が逮捕されるまで、複雑な心境だったといいます。
おウチdeお肉 浜松高林店 後藤雅英オーナー
「時間が結構経ってしまったが、安心したというのが最初の気持ち
いろんなところで報道はしてもらったが、なかなか(犯人が)捕まらなくて、不安と怒りは常にあった。」
防犯カメラを4台から7台に増やし、対策を強化したといいます。
おウチdeお肉 浜松高林店 後藤雅英オーナー
「店舗を運営する側としては、人件費とかがかからずできるということもあるが、24時間いつでも誰でも買えるというのが便利だと思っているので、第2のコンビニというのを目指していて、そんな存在になりたい。」
新型コロナの感染症対策や人件費の削減、そして、深刻な人手不足を解消する手段として、今も増加傾向にある「無人販売店」。
便利な無人販売店をめぐる防犯対策は今後も議論が続きそうです