【袴田事件再審公判】弁護団当初犯行衣類とされたパジャマを法廷で示し「証拠の価値がない」と主張 静岡地裁
いわゆる袴田事件の5回目の再審公判が静岡地裁で開かれました。弁護団は5点の衣類が出現するまで犯行着衣とされたパジャマを法廷で示し、「証拠の価値がない」と主張しました。
Q年内最後の裁判だが?
袴田さんの姉 ひで子さん(90):
「年内で5回目だから。来年もすぐに始まるから裁判が終わるまで頑張っていこうと思う。巌はまだ寝ている。起こしてちょっと言ったが、まだ寝ている。」
1966年に旧清水市で起きた、いわゆる袴田事件。
みそ会社の専務一家4人を殺害したなどとして袴田巌さんの死刑が確定しています。
和田佳代子記者 静岡地裁前:
「午前10時半前です。袴田巌さんの姉ひでこさんと弁護団らが静岡地裁に入ります。」
10月27日に始まった袴田事件の再審「やり直し裁判」。
きょうはその5回目、年内最後の審理が行われました。
一般傍聴席27席に対し、99人が傍聴券を求め、その関心の高さを伺わせました。
【きょうの巌さん】 提供:袴田さん支援クラブ
そんな中、浜松市内の自宅で巌さんは、姉のひで子さんが地裁に向かった後、午前9時過ぎに目を覚ましたといいます。
昼食として、しめ鯖とご飯、味噌汁などを食べたということです。
検察は事件発生当初、部屋から押収した「パジャマ」が、袴田さんの“犯行着衣“としていました。
しかし、1年2カ月経って、みそタンクから血染めの着衣が見つかりました。
これが、いわゆる“5点の衣類”です。
「5点の衣類」が見つかると、検察側は裁判の途中から“犯行着衣”を変更しました。
弁護側はこの「5点の衣類」が捜査機関によって「ねつ造」されたものだと主張しています。
いっぽう、20日の午後の法廷では、弁護側が当初“犯行着衣“とされていた「パジャマ」を法廷で示しました。
堀優奈アナウンサー:
「袴田さんの姉、ひでこさんは椅子から立ち上がり、パジャマを間近で見ていました。 また、裁判官もパジャマの近くまできて その様子をじっくりと見ていました」
弁護団は「検察はパジャマから被告人以外の血液が検出されたと言っているが、血液は肉眼では見えないし、鑑定自体が信用できない」と主張しました。