土砂崩れで200人が孤立 20日朝からヘリコプターによるピストン輸送で救助活動 静岡市葵区
19日静岡市の山間部で起きた土砂崩れで一時およそ200人が孤立し、20日1日ヘリコプターで救助活動が行われました。
石田和外アナウンサー
「孤立してロッジで一夜を過ごした登山者が今、県の防災ヘリに乗り込んでいく。乗り込む数は…4人です」
20日朝、静岡県の消防ヘリで救助されたのは、19日から土砂崩れによって孤立していた登山客たちです。
19日午前9時ごろ、静岡市葵区の山間部で、林道脇の斜面がおよそ40メートルにわたって崩れ、登山者やリニア中央新幹線の工事関係者など、200人が孤立しました。
石田和外アナウンサー
「椹島(さわらじま)ロッヂ付近の斜面が崩れた現場。林道が続いていて崩れた部分は道がどこにあるかもわからない状態。かなりの量の土が道をふさいでいる」
これは静岡市が撮影した崩落現場のドローン映像です。
木は根こそぎ崩れ落ち、山肌がむき出しになるなど、崩落の激しさを物語っています。
現場は南アルプス登山の拠点となる宿泊施設「椹島ロッヂ」からおよそ6キロ離れた場所で、孤立した人の多くは椹島ロッヂで一夜を明かしました。
救助された人たち
林輝彦アナウンサー
「午前10時すぎ。静岡市葵区の井川診療所のすぐ近くにあるヘリポートにヘリコプターが到着しました。登山者が続々と降りてくる」
救助された登山客(愛知県から)
「本当に帰れなかったらどうしよう、ここで孤立したらと(不安に)思っていた。きょうは朝の5時に朝食で、5時半に(救助の順番を決める)抽選。みんな抽選会で自分の番号が呼ばれるのを…早く呼ばれないと困ると思って。やっと下山できる。やっと・・・」
救助された登山客(神奈川県から)
「安堵しているが、まだ残された人がたくさん残っているのでその人たちが重要」
救助された登山客(神奈川県から)
父親
「ちょっと驚きましたね…。でも消防がヘリを出してくれて本当に助かった」
息子
「つかれた」
Q.家に帰ったら何をしたい?
「のんびりしたい」
20日5時半ごろから始まった救助活動。
一般の登山客は市と県のヘリによって井川地区まで搬送され、市が静岡駅まで送り届けるなど対応しています。
林輝彦アナウンサー
「現地に派遣された職員がオンライン会議で市の対策本部に状況を報告している。井川支所に設置されたホワイトボードにはこれまでにヘリコプターで救助した人数などが書かれている」
市の職員が対応にあたっている井川支所。
朝から続く救助活動の進み具合が記されていました。
静岡市役所では
静岡市役所では…。
静岡市役所 午前7時前
「静岡市と県のヘリを合わせて6回、3時間20分で31人の搬送を1サイクルで予定している」
朝から災害対策本部会議を開き、今後の方針を協議しました。
午後4時前に20日ヘリでの搬送を希望していた登山者97人全員を救助したということです。
静岡市 難波喬司市長
「きょう中に急いでほぼ全員を下山していただくという状況を整えるのが大事だと思っているので、市と県のヘリコプターが連携をして搬送をしていく」
難波市長は午前の定例会見でも、救助活動について自ら説明しました。
静岡市 難波喬司市長
「今の状況でここ(の土砂)が落とせるかどうかにかかっていますので、運よくこれを落とすことができれば、ここの量はそれほどでもないですし、復旧は可能ですので、これをどうやって落とすかが鍵になります。できれば来週月曜日には通行できるようにしたい」