袴田巌さんに2億1700万円あまりの刑事補償を交付「袴田さんにとっては2億ではとても償いきれない過ちを国家は犯した」

再審無罪が確定した袴田巌さんに2億1700万円あまりの刑事補償を交付する決定を静岡地裁が出しました。
刑事補償としては過去最高額です。
去年再審無罪が確定した袴田巌さんは、逮捕から釈放までの47年7カ月間身体を拘束されたとして、成年後見人の弁護士が2025年1月国に刑事補償を求めていました。
これに対し静岡地裁は24日、刑事補償としては過去最高額の2億1700万円余りを請求通り支給する決定を出しました。
国井恒志裁判長は「33年は死刑執行のために拘置され精神的、身体的苦痛は極めて甚大」と指摘。
「非人道的な取り調べを経て起訴され捜査機関がねつ造した証拠で有罪を維持した」と説明しました。
この決定を受けて会見を開いた弁護団の小川秀世主任弁護人は。
小川秀世主任弁護人:
「47年間の死刑囚としての大変さ、苦しさ、今の状況も踏まえると、袴田さんにとっては2億ではとても償いきれない過ちを国家は犯したと私は思っています」

一方、25日午後都内で講演をした袴田さんの姉ひで子さんは。
姉袴田ひで子さん:
「いただけるものはいただいておきますが、巌がもらうものですからね。私がどうのこうの言うことじゃないと思うの。満額がくるってことは、弁護士さんたち皆さんが頑張ってくれたおかげだと思います」
弁護団は今後違法捜査やえん罪の責任を追及するため静岡県や国に損害賠償を求め提訴する方針です。
